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夢の汽車に乗って 自然の摂理
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yumenokisya

Author:yumenokisya
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 好きな言葉は
『なんとかなるべさ』

 そう、生きてさえいれば
何とかなるもんです。。。
   


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自然の摂理

冬になると動物は皮下脂肪を蓄え
毛を冬仕様に替えて保温効果を高くして
寒く厳しい冬を耐え抜きます。

そんな風に
生きる為の適応力を身に付けた<者>だけが
やがて来る次の春を迎える事が出来るのです。

それが自然界の掟
すなわち自然の摂理です。


と、思っていました。


でも・・・

広葉樹はと言うと
幹の皮を厚くする訳でも無く
逆に葉を落とし幹も枝も寒風にさらします。

何故?

葉を残した方が寒さから身を守れるはずなのに。



宗教家はこう言います。

「一年を一生に例えるならば冬は死。
 そして春は再生なのです。
 人が生まれ変わる為に死ぬように
 樹木も又、再生する為に死ぬのです。
 転生こそが神の教えなのです」


植物学者は反論します。

「いや、樹木は葉を落としたとて
 決しては死んでいる訳ではありません。
 夏には葉に送っていた栄養を
 葉を落とす事で幹に蓄えているのです。
 己を自ら厳しい環境に身を置く事で
 更に幹が太くなる事を樹木は知っているのです」


哲学者は呟きました。

「樹木はそこに在るがゆえに樹木なので
 それ以上でもそれ以下でも無い」


小説家はおもむろに言いました。

「裸の王様にしてもドンキ・ホーテに例えても
 樹木は決して喜ばんだろうな。
 何故なら、死ぬも生きるも
 そんな事は樹木は考えてはおらん。
 在るがままなのだ」


画家はこう言いました。

「でも、見てごらんなさい。
 極限までそぎ落としたシンプルな構図。
 これこそが自然の作り出した
 見事な芸術じゃないですか!」


植物学者はやれやれと言った体で
改めて解説を始めた。

「もっと言うなら広葉樹は広い葉によって
 効率良く光を吸収できるが逆に蒸散も多い。
 又、針葉樹の仮導管と違い太い導管を持っています。
 その為、寒い冬には導管液の凍結と融解によって
 導管内に気泡が生じ導管液が送れなくなるので
 これを避ける為に
 ある程度寒い地方に適応した落葉広葉樹は
 秋になると葉を落とし
 水分の消費を抑えて休眠状態で春を待つんですよ」


それらを聞いていた子供が言いました。

「何だかんだと言っても
 動物と違って木は動けないものね。
 その場所で出来る事を考えただけなんだよ、きっと」


植物学者も宗教家も哲学者も
小説家も画家も
みんな唖然として顔を見合わせました。

そして次の瞬間
みんなで大笑いをしました。

子供が訝しげに大人達を見回していると
植物学者は子供に向かって言いました。

「そうだね。
 君の言う事が一番みんな納得出来たみたいだよ」



なるほどね。
私も納得出来たよ。

良く<自然の摂理>って言うけど
自然は難しい理屈を考えている訳では無い。

動物達も樹木やなんかも
ただ、自分の置かれた立場で
出来る事をし続けた結果なんだよね。

なるほど。。。


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