Neko

夢の汽車に乗って 治らないモノ、それは・・・
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yumenokisya

Author:yumenokisya
現住所 北海道十勝国

 好きな言葉は
『なんとかなるべさ』

 そう、生きてさえいれば
何とかなるもんです。。。
   


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人間は思い込みの動物だなんて言う人がいます。
なるほど、確かにそうかもしれません。

例えば、一度間違って覚えた言葉は
直そうたって、そう簡単には治りません。
何故なら、その人にとってはそれが真実なのだから。




八「熊さん、この間<あきばはら>に行って来たんだってな?」

熊「あきばはら? なんだいそりゃ?」

八「あきばはらだよ、あ・き・ば・は・ら。
  ほら、女中茶屋で萌えーとか御宅の聖地とか言うじゃん?
  熊さんも好きだねー。行って来たんだろ?」

熊「八っつあん、それを言うなら<あきはばら>だよ」

八「へっ? おいら、そう言ってなかったかい?」

熊「<あきばはら>って言ってたさ」

八「なんだい、同じじゃないかい。
  あっ、判った!
  そう言って、熊さん恥ずかしいもんだから
  話をはぐらかそうって魂胆だな?」

熊「何も恥ずかしい事なんかしてないよ」

八「良いんだって。何も恥ずかしがる事なんてないさ。
  熊さんも立派な成人男子だもんさ。
  いやね、おいらもさ実はこの前ね、むふ、むふふ」

熊「なんだい、気持ち悪いな。
  それより仕事はこの頃どうなんだい?」

八「おいおい、熊さん、そりゃないよ。
  仕事の話なんか良いから
  おいらの話をもっと掘り下げておくれよ」

熊「又、始まったよ。
  八っつあんの話したがりが。
  良いよ、じゃ聞いてやるから話してごらんよ。
  何だって、何処に行って何をしてきたって?」

八「いや、そう改まられると何だか話しづらいわさ。
  もうちょっと、こうさ。なんかさりげなく聞くとかさ」

熊「なんだい、面倒な奴だねぇ~
  でも、言っておくけど自慢話なら聞いてやんないよ」

八「へっへっへ。いやね。この前、行ってきたんだよ」

熊「何処に?」

八「あきばはら」

熊「だから、あきはばらだって」

八「そう、そのあきばはらだって」

熊「はいはい。で? 何がどうしたって?」

八「行ってきたんだよ」

熊「だから、何処にさ?」

八「だから、あきばはらだって」

熊「それは何度も聞いたよ。
  あきはばらの何処かって訊いてんだよ」

八「むふふ」

熊「なんだい、気持ち悪い奴っちゃな」

八「むふっ。いや、思い出しただけでねコレがさ。むふふ」

熊「・・・」

八「いやいや、おいら初めてだったのに
  めんこい女中さんがね『お帰りなさい、ご主人様』てなんてね。
  で、玉子掛けご飯を頼んだらさ。
  これがアレだ。『ご主人様。美味しくなるおまじないです』
  なんてね。いやいや、あはは。むふふ。
  アレ? 熊さん、どうしたい?」

熊「お前さんに呆れてんだよ。
  良いネ、呑気で倖せな奴だわ」

八「なんだい。そういう熊さんだって行ってきたんだろ?
  なら『ご主人様。フーフーします』
  とかってやってもらったんだろ?
  良いんだよ、隠さなくたってさ」

熊「やってないよ」

八「またまたぁー。絶対やってるって」

熊「やってないよ」

八「なんだい、水くせぇじゃねぇかい?
  おいらと熊さんの仲だ。
  恥ずかしがる事なんてねぇって。
  あっ、おかみさんにも内緒にしておくからさ」

熊「だから、女中茶屋なんか行ってないよ」

八「へっ? じゃ、何処に行ってきたんだい?」

熊「明神様だよ。ご隠居さんが寝込んでるだろ?
  日頃は何かと世話になってるからさ。
  うちの奴が、明神様にお参りをしてこいってさ」

八「で、帰ってきたのかい?」

熊「あぁ。帰ってきたよ」

八「それだけ?」

熊「あぁ」

八「せっかく、あきばはらまで行って?」

熊「あぁ」

八「ないだい、もったいないねぇー
  あきばはらまで行って? それだけ?」

熊「どうでも良いけど。八っつあんさ。
  その<あきばはら>っての何とかならないのかい?」

八「へっ? 何が?」

熊「いいかい? <あきばはら>じゃなくて<あきはばら>
  せっかく女中茶屋に通ったって
  <あきばはら>なんて言ったら笑われちまうぜ」

八「なんか聞いてりゃ、さっきから面倒な奴だね。
  <あきばはら>は<あきばはら>だろ?
  なんで、そこに食いつくかね?
  食いつくなら女中茶屋の玉子掛けご飯だよ。
  『おまじなーい』なんて言われた日にゃ
  寿司やすき焼きなんか、もう目じゃないね」

熊「やれやれ。
  まるで、『お医者さんでも草津の湯でも』だね。
  付ける薬はないよ」

八「おいおい、なんだい。ひとを病人みたいに。
  おいらは至って健康男子だよ。
  それよか、熊さんの方こそアレだな。
  ムッツリなんとかってさ。
  女中茶屋なんか行ったら一発で本性があわらになるって奴だわ」

熊「お前さんと一緒にするんじゃないよ。
  ってか、<あわら>ってなんだい?
  もしかして、<あらわ>って言いたかったのかい?」

八「へっ? おいら、そう言ってなかったかい?」

熊「<あらわ>を<あわら>って言ってたじゃないか?」

八「なんだい、同じじゃないかい。
  あっ、判った!
  そう言って、熊さん恥ずかしいもんだから
  話をはぐらかそうって魂胆だな?」

熊「何も恥ずかしい事なんかしてないよ・・・
  て・・・ん? なんかデジャブってないかい?」

八「誰がデブだって?」

熊「いやいや、デジャブだよ、デジャブ」

八「シャブシャブ?
  あっ、そういや今度あきばはらに
  女中牛鍋屋が出来たとかエスエヌエスに載ってたっけ。
  そうだ、早速行って来なきゃ!」

熊「エスエヌエスってなんだい?」

八「なんだ、知らないのかい? 熊さん、遅れてるねー
  エスエヌエスってな、今度出来た<からわ版>の事だよ。
  色んな町の情報が載っててさ、
  読んだら皆して<良いね>って言うのが流行ってるんだぜ」

熊「そりゃ、瓦版ね?
  なんか、おいらも八っつあんの通訳みたいになってきたね。
  言ってる事が直ぐに分かるようになってきたよ」

八「何を独りでツブツブ言ってんだかね」

熊「はいはい、<あきばはら>でも何処でも行っといで」

八「おうよ。言われるまでもねぇや。
  そうじゃ、早速行ってくら」

熊「で? 何処に行くんだっけ?」

八「あ・き・ば・は・ら! そいじゃなー」

熊「ありゃ、やっぱ『お医者様でも草津の湯でも』だね。
  死んでも治らない」


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