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夢の汽車に乗って なぞなぞは悪魔の調べ  ~夢乃家日和~

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yumenokisya

Author:yumenokisya
現住所 北海道十勝国

 好きな言葉は
『なんとかなるべさ』

 そう、生きてさえいれば
何とかなるもんです。。。
   


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「ねぇ、たまになぞなぞしようよ」

次女のそのひと言が奈落への始まりだった。

「おー、良いね。やる?」

珍しく一発で受ける長女。

「やろうやろう!」
「お父さんも当然参加ね?」

長女に急に話を振られた夢乃氏。
だが当然やる気は無し。

「んなもん、やるかよ。子供じゃあるまいし」

「あー、答えられないんだ?」
「だよね。まさかでも娘に負けたら恥ずかしいもんね」
「だね、ここは察してやろうか」
「そうだね」
「どうせ、答えられないもんね、頭がもう固いから」

そこまで言われて引っ込んでいられるほど
夢乃氏は大人ではなかった。

「てめぇらな。俺を誰だと思ってんだ?」

「おっ、やる気になった?」
「やる気スイッチ、オーン!」
「イエーイ!」
「それじゃ、お父さんから問題を出して良いよ」
「キャー、怖ーい、簡単なのにしてねぇー」

ニヤニヤする娘達。
早くも奈落への道が開かれようとしていることに
夢乃氏は全く気がついていなかった。

「あっ、でも。いつもアレは無しだよ。
 ダジャレじゃなくて、あくまでなぞなぞだからね」

「んなもん、言われなくても解っているわい!」

いや、夢乃氏は全く解ってはいなかった。
次女の言葉の意味。
<あくまでなぞなぞだからね>

夢乃氏は得意気に先生口調で切り出した。

「はーい、良いですか?
 それじゃ、第一問。
 先ずはこれ、小学生レベルのなぞなぞ。
 正解率はなんと98%!
 さぁて、君達は解るかな?
 <パンはパンでも食べられないパンは何ぁ~んだ?>」

先生風の夢乃氏に乗っかって
生徒よろしく勢いよく手を挙げる娘達。
付き合いが良いのはさすがに夢乃氏譲り?
しかし、そう簡単にことは収まるはずは無かった。

「超簡単、審判だよ」
「はーい! 短パン!」
「はい、じゃあ・・・ジーパン!」
「チノパンでしょ?」
「Yes,It's a JAPAN ! OK,Goodjob」
「それじゃ、サイパン?」
「いやいや、ルパンだって!」
「それなら、ショパンとか?」
「ダメだなぁ忘れてるしょ? ピーターパンだよ!」
「ミタパンじゃね?」

「・・・」

「あれっ?
 なんか黙っちゃったけど・・・先生、答えは?」
「まさかね、アレじゃないよね?」
「そんな、まさか。
 先生がそんな単純な答えのなぞなぞを出す訳ないじゃん」
「だよねぇ~」
「ねぇ、先生? 答えは何? 降参ですぅ~」

「むぐぅ・・・そ、それは・・・」

思いもよらぬ展開に苦しげに青ざめる夢乃氏。
何と答えたらこの場を上手く逃れられるだろうかと
額に脂汗を流しながら考えあぐねていたその矢先。
次女が再び手を挙げました。
しかも、明らかに演技と解るしおらしさで。

「間違ってたらごめんなさい。
 もしかしてフライパンですか?」

その瞬間、夢乃氏の顔には赤みが戻り
よほど安堵をしたのか明らかに喜びの表情が表れました。

『救われた!』

夢乃氏には次女が天使に見えたのです。

と、その時。
ニヤニヤしながら次女は言いました。

「あっ、やっぱり違うんですね?
 フライパンって揚げパンのことですものね?
 じゃあ、何だろう?」
「何だよ、お前。それ当たり前過ぎるし。
 そんな訳ないじゃん」
「だよねぇ~ えへへ、めんごめんご」
「先生! 答えを教えてください!」
「知りたーい!」
「私も!」
「ねぇ、先生?」
「降参でーっす」

天国から地獄とは
まさにこういう修羅場を言うのでしょうか?

そう、夢乃氏にとっては奈落の展開。

その時、初めて夢乃氏は気が付いたのです。
娘達がしたかったのは
決して、なぞなぞなんかではなくて
単なるヒマつぶしだったということに。

「おめぇらなぁー、ぶっ殺す!」

夢乃氏が怒り心頭で
拳を振り上げるその仕草をするやいなや
口々にはやし立てる娘達。
いや、小悪魔達。

「キャー、怖ーい」
「可愛い子供虐待、はんたーい」

「誰が<可愛い>だって?」

「私、私!」
「いや、私でしょ!」
「二人ともじゃね?」
「だね」

狭い部屋の中を追いかける夢乃氏。
キャッキャと逃げ回る娘達。

「待てー、こら!」
「やだよー」

ほどなく息切れをしてうずくまる夢乃氏。
日頃の体力不足がはからずも露呈。

「ぜいぜい、はぁはぁ・・・てめぇらな・・・」

澄ました顔で次女は答えた。

「だって最初に言ったしょ?」

「何がだよ?」

怪訝な顔の夢乃氏。
笑いを堪えきれずに答える次女。

「だからぁ、悪魔でなぞなぞって」

「あくまで?」

「そう、悪魔で」
「いや、それは高度過ぎてお父さんには理解無理」

長女は次女に言った。

「そっか、だよね」

頷く次女。

「そうそう」
「あー、面白かった」
「たまには良いレクだね」

まだ意味の解っていない夢乃氏。

「あくまで? あくま・・・あっ!?」

張り巡らされた伏線の意味。
更に奈落のズンドコにつき落とされた夢乃氏であった。

大人のみなさん。
家庭内のなぞなぞには迂闊に近寄っちゃいけませんよ。
小悪魔達がここぞとほくそ笑んでいるんですから。





*夢乃家日和は架空の家族の日常です。
 ここに登場をしている夢乃家の面々は
 例えば、落語の長屋噺に登場している
 熊公、八っつぁん、ご隠居さんであり
 そのちょっとトボけた日常を
 ホンワカした気持ちで読んで頂ければ幸いです。



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