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夢の汽車に乗って 季節割り振り会議

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yumenokisya

Author:yumenokisya
現住所 北海道十勝国

 好きな言葉は
『なんとかなるべさ』

 そう、生きてさえいれば
何とかなるもんです。。。
   


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季節割り振り会議

 ワイワイ、ガヤガヤ・・・

 すったもんだ・・・ホイサッサ・・・

 でさ・・・あーだ、こーだ・・・



議長の太陽が着席をすると
<オホン>とひとつ大きく咳払いをした。

「静粛に!
 これから次季の割り振り会議を始めます。
 先ずは・・・今回は秋の番でしたね?
 では、主張があればどうぞ」

秋は促されて起立をすると一同を見渡した。
そして静かに語り始めた。

「夏さん、先ずはお疲れ様でした。
 ただ、あなたは少々無茶が過ぎましたね。
 41度はやり過ぎです。
 お蔭であちらこちらで集中豪雨も起こるは
 竜巻は起こるは、台風は我が物顔で闊歩するは
 国民の皆さんも
 もう夏にはへきへきしている事でしょう。
 今年ほど私が待ち望まれている年は無いのです。
 そこで私は提案します。
 今年の秋はズバリ五か月を要求します!」

「な、何を勝手な事を!
 お前だけの季節じゃないんだぞ!」

興奮で顔を赤らめて叫んだのは冬だった。

「だいたいだな!
 お前が五か月も居座っていたら
 俺はどうするんだ?」

秋は涼しげに言った。

「冬さん、良いですか?
 ハッキリ言って
 誰もあなたを待ってなんかいませんよ。
 寒い、冷たい、おまけに雪ですか?
 北国の人はストーブの灯油代もかかるし
 何より、雪かきを喜んでいるでも?
 冬道の運転をみんな楽しんでいるとでも?
 そんな事は無いでしょ?」

「だ、黙れ!
 北国の人達は
 ウインタースポーツが出来るのを
 心待ちにしているはずだ!
 雪祭りだって観光客は沢山来てるじゃないか。
 年明けにはオリンピックだってあるんだぞ!」

「それはロシアの話でしょ?
 別に日本が冬である必要は無いじゃないですか。
 違いますか?
 ねぇ、みなさんはどう思います?」

秋は他の季節に問いかけた。
するとそれに夏が答えた。

「秋さん、あなたは横暴だ。
 日本ほど四季の美しい国は無いのです。
 四季それぞれのバランスが取れていればこそ
 みんな安心して暮らす事が出来るのです。
 その意味では夏は暑く冬は寒く
 その合間を春と秋が上手く調整する。
 それが自然の道理です」

「悪いけど、今年のあなたに
 道理を問う資格はありますかね?
 今年の夏はいつものあなたでしたか?
 ちゃんとバランスを取っていたのですか?
 あれで? 私にはとてもそうとはね」

「そ、それは・・・」

「まぁ、まぁ」

そう言って話に割ってきたのは春だった。

「確かに、今年の夏さんはやり過ぎでした。
 あー、夏さんはちゃんと反省してくださいよ?
 でも、だからと言って
 秋さんが長く季節を取ったら
 今度は冬さんはどうすると思います?
 次の会議で、こう言うに決まっています。
 『秋のせいで俺は二か月しか冬を出来なかった。
  今年は六か月は譲れないぞ!』ってね。
 みんながそんな風に
 自己主張ばかりしていたらどうなりますか?
 困るのは日本国民のみなさんですよ。
 秋さん、違いますか?」

「う、うん・・・まぁね」

「私達は愛してくれる国民があってこその
 日本の四季じゃありませんか?」

「しかし・・・わ、解ったよ。
 それじゃ、今年の秋は三か月。
 これは譲れないギリギリの線だ」

議長の太陽は言った。

「冬さん、いかがですか?」

「しかし、それでは私の立場が!」

「良いじゃありませんか。
 秋さんと冬さんそれぞれ三か月と言う事で。
 国民のみなさんには夏のお詫びを兼ねて
 <今年の冬は暖冬>と言う事で告知しましょう」

「し、しかし・・・」

不満そうなのは冬。
何とも納得がいかない様子です。
無理もありません。
今までは東北・北海道は冬の独壇場で
誰も文句は言わなかったのですから。

太陽は一同を見渡すと
又、<オホン>とひとつ咳払いをした。

「では、今年の秋と冬は三か月づつと言う事で
 みなさん、異論は無いですね?
 それでは広報さん、至急気象協会に連絡を。
 <今年の秋は長く冬は暖冬傾向でしょう>
 以上で・・・」

「ちょっと待った!」

手を高々と上げたのはやはり冬でした。

「どうしました?」

冬は立ち上がると太陽に向かって言った。

「なんだ? 暖冬、暖冬ってさ。
 良く良く考えたらだな。
 お前がシッカリしないから
 温暖化なんて羽目になったんじゃないのか?
 温暖化にさえなってなかったら
 俺はもっともっと北国で悠々と出来たのに。
 ヤイ、太陽さんよ! どうしてくれるんだ?」

「そ、そんな事を言われても・・・」

しどろもどろになりながら太陽は答えた。

「わ、私だって、何も好き好んで
 暖冬にしたい訳ではありませんからね。
 温暖化と言えば私だって被害者なんですよ。
 私だって冬くらいは力をセーブしたいんです」

「じゃ、温暖化の責任は誰が取るんだ?」

冬はそう言いながら一同を見渡した。

「・・・」

そこに夏がそっと手を挙げた。

「あの・・・
 そもそも温暖化って人間が撒いた種ですよね?
 なら、別に私達が気にしなくたって
 好きなようにやれば良いんじゃないですか?」

「そうは言ってもだなぁ・・・」

と、太陽は渋い顔。
春は大きく頷くと一同を見渡しながら言った。

「いや、夏さんの言う通りかも知れません。
 これは
 我々日本の四季の存続に関わる大問題です。
 このまま温暖化を放っておく訳にはいきません。
 我々だってペースを乱されたくはありません」

「じゃ、どうするつもりなんだ?」

「確かに夏さんはやり過ぎでしたが
 人間に事態の収拾が付けられないなら
 そう言うのも必要なのかも知れません。
 人間が温暖化を危険だと認識するように
 いっそ秋さんは四か月で冬さんは二か月。
 その代わり冬さんは思いっきり暴れて結構。
 日本海側には豪雪、太平洋側には極寒とかね。
 それから秋さんには台風の連波と
 その後は
 秋雨前線を停滞させてもらいましょう」

「なるほど」

「じゃ、気象協会には何て通達する?」

「<台風から秋雨前線と続く長い秋の後
  冬は短いけど北極が引っ越してきます>
 こんなところで良いんじゃないですか?」

「異議無し!」




なんて事にならなきゃ良いのですが。

異常気象が「例年並み」にならないように
ただ祈るばかりです。

今年の冬は穏やかな冬になりますように。



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