Neko

夢の汽車に乗って 堤防にて

プロフィール

yumenokisya

Author:yumenokisya
現住所 北海道十勝国

 好きな言葉は
『なんとかなるべさ』

 そう、生きてさえいれば
何とかなるもんです。。。
   


カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

最近の記事


カテゴリー


最近のコメント


フォト・ポエム


クリックお願いします。


月別アーカイブ


堤防にて

散歩をしながら堤防を歩いていると
堤防の縁に腰を下ろして釣糸を垂れている老人がいた。

堤防と言っても、
そこを降りると河川敷には芝が広がっていて
川までは数10m・・いや、もっとあるだろうか。

しかも、
河川敷と川の間には木も生い茂った藪があるのだ。


老人はそんな事にはお構いなしと言った風に
リールを巻き上げると、
又、河川敷の芝に向かってキャスティングをした。

そんな事を数回繰り返していた。


堤防の上はサイクリングロードになっていて、
散歩をする人
犬を連れて歩く人などが行き交っていたが、
そこを通る人は
皆一様に訝しげな顔をしては通り過ぎて行った。


私はその老人の事が気になって
少し離れた所に同じように腰を下ろした。


老人はリールを巻き上げながら、
満足気に笑みを浮かべては
又、キャスティングをし、
垂れた糸を見ながら
今度は何か想いに耽っているようにも見えた。


多分、
老人はこの次に行く釣行の為に
リールのチェックをしているのだろう。

そう、そうに違いない。

でも、
もしそうなら
時折り見せる物憂げな表情は何なんだろう?

もしかしたら、
見た目では分からないが
何かあってもう釣りには行けなくなっていて

・・・自分が若かりし頃・・・

野を山を縦横無尽に駆け回り、川を渡り
釣りをしていた頃の事を想い出しているのだろうか?

今は叶わない夢なのか?

あるいは・・・


いや、きっとそうではない。

やっぱり、
次の釣行を楽しみに
リールのチェックをしているだけなのだ。

そう、それだけの話なのだ。

その証拠に
今、老人は静かな笑みを浮かべているではないか。

この次に自分が釣るであろう獲物の姿
自分のその勇姿を想い描いているに違いない。

きっとそうなのだ。

多分・・・それだけの話だ。


老人の釣果を願い私は立ち上がると、
つい先ほどまでしていた余計な想像を振り払い

そして来た道を引き返して堤防を降りた。




スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する


Powered by FC2 Blog