カサカサと枯葉が足下で踊る
いつの間にか灯り始めた街の灯
日の暮れの早さに物憂げに浸る間もなく
季節はその足を早めていく
君といた頃は
どんな季節も喜びでしかなかったよ
ひとつづつ一緒に過ごす時間が増えていく度に
季節は繰り返すものじゃなくて
積み重ねる度に二人の歴史になっていくだなんて
僕は勝手にそう信じていたんだ
夕焼けよりも遅くなった夕べの鐘が
いつもよりも切なく聞えた秋の日
そこに僕の居場所はない気がしていたんだ
君がいないただそんなことだけで
君といた頃は
どんな季節も喜びでしかなかったよ
夏の終わりの秋も寒さに凍えた冬でさえも
街は今も相変わらず賑やかで
季節の他には変わったものなど何も見つけられない
変わったのは僕の方だったろうか
街路樹は色を変えやがて葉を落とし
この街の色を変えてはいくけど
灯りが灯る夜になれば季節の移ろいも隠してしまう
まるで何も変わってないかのように
君といた頃は
どんな季節も喜びでしかなかったよ
手を繋いだり肩を寄せたり寒い時も暑い時も
一人じゃないって思えることで
どんな季節も僕にとっては喜びでしかなかったよ
僕はいったい何を見ていたんだろう