Neko

夢の汽車に乗って 2016年06月

プロフィール

yumenokisya

Author:yumenokisya
現住所 北海道十勝国

 好きな言葉は
『なんとかなるべさ』

 そう、生きてさえいれば
何とかなるもんです。。。
   


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幻  ~詩~

それはとても懐かしい温もり
君が誰なのか?
何年経っても何十年経っても
僕はすぐに思い出すだろう

そんな僕の事を思い出す事
君はあるだろうか?
君の心の何番目かの引き出しに
今も僕は仕舞われているだろうか?


まだ暗い朝
ほろ苦い目覚め

夢と現の彼方に見えるのは君の幻

君の温もりならすぐに思い出せるのに

あんなに好きだった
君の笑顔が思い出せない




君とは短い旅を共にしていた
それだけの人
けれど僕の人生にとっては
とても大きな人になった

夢がもし後悔を映し出す
ただの鏡なら
もう二度と夢なんか見なくて良い
君の幻を追いかけなくて済むから


記憶何て、そう
想い出なんて、そう

まるで真昼の月のように
照らせるものなんて無いのだろうか?

君の想い出ならいくつも思い出せるのに

あんなに好きだった
君の笑顔が思い出せない



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会話

相手の言葉に対して
何でも否定から返事をする人と
必ず肯定から返事をする人っているよね?


「でも」

「そうだね」


後に続く言葉が同じだとして
どっちが相手に受け入れられるかな?

答えはそう、みんな判っているよね





相手の言葉に対して
何でも否定から返事をする人は
会話自体望んではいないのかもしれない


「いや」

「違うよ」


否定は否定しか生まないし
会話をそこで切ってしまうだけだ

切ってしまうのが会話だけなら良いけどね





相手の言葉に対して
何でも肯定をすべきだとは思ってない
違う事はちゃんと違うと言って良いんだ


「判るよ」

「そこだよね」


いったん肯定をする事で会話は続く
そうしたら次の問題点も見えてくるんだ

相手の言葉を聞く耳だけは持っていたいよね



世の中には矛盾した事なんていくらでもある。



教師は生徒に向かって言う。
「社会では協調性が大事だ」
その口で教師は生徒に向かって言う。
「リーダーシップが取れる人間になりなさい」


果たして協調性を優先させて考える人間に
リーダーシップは取れるのだろうか?

リーダーシップを発揮してまとめた事を
果たして協調性と言って良いのだろうか?


「まとまる」事と「まとめる」事は違う。

「納得」と「妥協」も違う。
でも「協調」するにはどちらも必要だ。

それを円滑に進められるかどうかが
リーダーシップにはかかっている。



上司は部下に向かって言う。
「良く考えてから行動しなさい」
その口で上司は部下に言う。
「理論より実践だ。経験に勝るものは無い」

社会においては一度の失敗が致命傷になる事がままある。


一方で「営業はスピードが命だ」と言いながら
他方で「営業は緻密で無ければならない」と言う。

確かに
その場、その場で相反するモノを求められるのが
会社組織というものなんだろう。

それはいつの時代も会社におけるジレンマを生む。

<その場>を判断するのは誰なのか?
そして、その責任は誰が取るのか?


会社においては
誰の目から見ても仕事が出来て
同僚や後輩から慕われ尊敬されている人間が
必ずしも早く出世をする訳ではないという現実が往々にある。



そして家庭。

或る意味では
学校や会社以上の矛盾が存在するが家庭なのかもしれない。

それを、とある作家は<力関係>と名付けた。

矛盾=力関係?

いったい、どういう事だろう?



妻は夫に向かって訊く。
「今夜は何が食べたい?」

夫は答える。
「何でも良いよ」

妻は言う。
「何でもはないでしょ? 作る身にもなってよ。
 考えるだけでも大変なんだから!」

夫は答える。
「そうだな。じゃあ、すき焼きが良いな」

すぐに妻は首を振る。
「お肉は買ってないから焼き魚で良いでしょ!」


デパートの婦人服売り場で妻は夫に向かって訊く。
「ねぇ、この赤いスカートと青いスカートどっちが良い?」

夫は答える。
「青い方が良いんじゃない? 赤は派手だろ?」

途端に妻は機嫌が悪くなる。
「失礼ね! 私に赤は似合わないって言うの?」


「なら訊くな」と夫は思う。

既に自分で結論を出しているのに妻は夫に訊く。
だがそれは夫に決定権を委ねている訳ではない。
自分の決定を後押しして欲しいだけなのだ。
だから自分の決定と違う裁定が下されると妻は往々にしてキレる。

もう一度言おう。

妻は夫に決定権を委ねている訳ではない。
その事に夫は気付くべきなのだ。


気付くと言えば。

妻は夫に訊く。
「ねぇ、私どう? 何か変わったとこない?」

その質問に対しての逆模範回答例はこれだ。

「ん~ 最近、少し太った?」


例えば
妻は髪型を変えたのを夫に気付いて欲しいとしよう。

で、前述の質問。

「ねぇ、私どう? 何か変わったとこない?」

たったそれだけの言葉で
直に<正解>にたどり着ける夫はいったい何人いるだろう?

だが、安心召され。
模範解答はこうだ。

「うん、良いよ。何か若々しくなったね」

正解が髪型だろうがマニキュアだろうが
新しいピアスだろうが新色の口紅だろうが
はたまた通販で買った補正下着の成果だろうが
どれにでも使える万能の答え方だ。


小さい頃は「正直に生きなさい」と教えられた。
だがしかし、結婚期間が長くなるほど
事実を見る目を閉じて
正直さには蓋をする事を覚えなければならない。

そこにある<矛盾>は深く考えてはいけない。
そこは学校でもなければ会社でもないのだから。



世界一嫌いな男

<おっ、久しぶり!
 そういや、マンション引っ越したんだって?>

「あぁ、やっぱり5LDKだと狭くてな。
 リビングだって四十畳しかなかったし
 それに四十五階より六十階の方が眺めが良いしさ」


<おー、そのスーツってイタリアのブリオーニじゃね?
 超高級なんだろ? いったいいくらしたんだ?>

「これ? さぁな。
 値段なんか見て買ったことないからな」


<そのローレックスって前のと違うよな?>

「前? 何十個もあるからいちいち覚えてないよ」


<そういや又、車も買い替えたんだって?>

「ポルシェもフェラーリも
 半年も乗ると飽きちゃってさ」


<お前、ハワイに別荘持ってるんだって?>

「大したことないよ。二千坪しかないしさ。
 テニスコート二面と50mプールはあるけど
 ゴルフ場が無いんだぜ」


<ハワイだったら
 当然クルーザーなんかも持ってるんだよな?>

「あるけど二十人しか乗れないから
 パーティもできないよ」


<で、年に何回くらいそこに行くんだ?>

「ん~ 一年に一回も行くかな。
 カナダとかモナコやイタリアにも別荘があるしさ」


<ところでさ、モデルの娘と別れたんだって?>

「あー、『会って、会って』ってうるさくってさ」


<で、今は誰と付き合ってるんだ? いるんだろ?>

「なんか、朝ドラの主役やってたって言ってたけど
 何のドラマだか興味なくってな」


<今度、社長になったんだって?>

「オヤジが趣味で会社を作ってさ。
 でも、大したことはないよ。
 資本金はたったの五億円だからな」


<そういや、自家用ジェットを持ってるってホント?>

「まぁな。でもそれも大したことはないよ。
 オヤジのお下がりだからさ」


<あはっ、あはは、あは・・・
 相変わらず元気そうで何よりだわ。
 そうだ! これから宝くじを買いに行くんだけど行く?>

「いや、これ以上お金があってもしゃーないしな」





嫌われても良い。

そんな男に私はなりたい(笑)


誰かが言っていた

「今の時代、本当の政治家はいなくなった。
 いるのは自己主義の政治屋ばかりだ」


なるほど
確かに今の議員さん達は
志とか使命感
はたまた信念や理念や政治信条よりも
どうも選挙の事ばかりが気になるようです


政策が国民にとって良いモノかどうかよりも
その政策が
次の選挙の時に自分達にどのように影響するか?

同じ党の議員の舌禍や
自分達が推した政治屋のスキャンダルが
次の選挙の時に自分にどのような<風>になるのか?

それらの事によって動く政治日程が
はたして自分にどんな影響をもたらすのか?

議員さん達が考えているのは
そんな事ばかりな気がするのは私だけでしょうかね

もちろん初めは
誰もが崇高な理念や理想を持って議員になったはずです

そう信じたいです

「微力は無力ではない」なんて言葉がありますが

でも
政治の世界ほど一人の声が無力な世界は無いんでしょう



議員は世襲制か?
なんて思わされる事もしばしばあります

親が亡くなったら子供が地盤・看板を引き継ぐとか
それがまるで当たり前かのように良くありますし
実際、二世・三世議員も珍しくはありません

稀に子供が若過ぎる場合だと
子供が継げるようになるまでの中継ぎとして?
旦那が亡くなった後を奥さんが引き継ぐなんて事もあります

議員ってやっぱり世襲?

江戸時代でいうなら
衆院議員は大名
都道府県知事は旗本というところでしょうか?

江戸時代と違うのは
将軍(総理大臣)だけは直接の世襲ではなく
大名の中から選ばれるという事でしょうかね


選挙制度が小選挙区になってからは
ますますこの傾向は強くなっています

まぁ、神輿を担ぐ側からしたら
全くの未知数の人物よりは
地盤・看板を持ってる人物の方が担ぎやすいんでしょう

後援会組織もそのままで良いし
議員に対して恩を売っておけば
いずれは自分達の利益にも返ってくると考えるのが
自然と言えば自然なのかもしれません

議員が亡くなった家族からしたら
せっかく築いた地盤・看板を放棄しちゃうのは
もったいない事この上ないとなるのでしょう

特に衆院議員の名前はブランドみたいなものですからね

ここで神輿の乗る側と担ぐ側の利害関係は一致する訳です


今や衆院議員の家にさえ生まれたら
バイトの面接に受かるよりも簡単に衆院議員になれるのです

反面

衆院議員に縁の無い家に生まれた人が
もし衆院議員になろうとすれば
司法試験に一発合格をするよりも難しい事になっています

もし、それでも
そんな人が衆院議員になろうとしたら
官僚になってある程度の地位まで上り詰めるか
或いは、芸能界やスポーツ界で有名になって
何処かの党から誘いが来るのを待つしかありません

テレビの人気コメンテーターになるとか
先ずは人気作家になるという手もあるのかな

かも知れませんね

いずれにしても
著名人や有名人にはなっておく必要があります



芸能界にも二世・三世は多数存在しています

同じ二世・三世でも
役者として映画で主役を張る人もいれば
バラエティ番組の賑やかしで終わっている人もいます

裾野が広い分、大して実力が無くても
十年、二十年と生き残っていく人もいますし
それはそれで自分のポジションさえ見つけられたら
ずっと生き残っていける世界でもあります

まぁ、素人目ですけどね

一方で

歌謡界やスポーツ界はどうでしょう?

どんな有名歌手の子供でも
どんな名選手の子供でもそこは完全に実力の世界です

どんなに優秀なスタッフが付こうが
本人に実力が無ければただちに消え去るのみです

その意味では政治の世界は
スポーツ界や歌謡界よりは芸能界に近いのかもしれません



今夏も日本各地で様々な選挙が行われます
誰に一票を入れるのかはそれぞれ基準が違うでしょう

それはそれでかまいませんし
むしろ
自由に投票が出来る世の中は健全で良い社会と言えます

それだけに
その一票を無駄にはして欲しくはありません

投票にも行かず文句だけを言うのは正しくありません

知っている名前で選ぶのか?
推薦・公認をしている党で選ぶのか?
皆が良いと言うから選ぶのか?
それとも自分なりの期待や基準で選ぶのか?

いずれにしても私達も私達なりにでも勉強は必要です
その上で貴重な一票を投じましょう

私達の一票はたかが一票ですが
でも
微力ではあっても決して無力な一票では無いんだという事

未だ何処かで日本の政治を信じたい自分がいます


昨日君と見てた夕焼け空
明日もきっと晴れるって思ってた

だけど人生は思うほど
簡単には出来てないみたいだ

こんな雨を今日は独りで見るなんて

人生にもしも天気予報があるなら
傘の準備もちゃんと出来たし
濡らした服を乾かすドライヤーだって用意は出来たのに





照れる僕の袖口を摘まんで
嬉しそうに並んで歩いていた君

とりとめの無い君の話
屈託の無い君の笑顔が好きだった

退屈な雨降りの日だって愛しかったよ

僕たちにもしも終わりの日が来るなら
どちらかが見送られる時だと
そんな話も笑いながらしてたね ずっと遠い事だと思ってた





「もしも」なんて言葉があるから
人は迷路に迷い込んでしまうんだね

もっと素直になれてたら
二人で出口を見つけられてたかな?

降り続く雨を見ながらそんな事思ってた

てるてる坊主 描いた顔が君にダブる
泣いてるようにも見えるのは雨に滲んだせいじゃない





止まない雨にも言い分はあるだろう
傘を差さない方が悪いだとか

僕はずっと何を見ていたんだろう?
何を解ったつもりでいたんだろう?

窓をつたう雨の滴が止めどなく流れてた

明日、天気になれ 明日は天気になれ
願う気持ちを知ってか知らずか それでも雨は降り続く



冠言葉

初めて笑った

初めて寝返りをうった

初めて立った

初めて言葉を喋った etc



人は生まれてから
幾つもの<初めて>を経験し、体験し、学習をして
そして成長を重ねていきます


その<初めて>は多くの場合
周りに笑顔を与え、周りに感動を与え
そしていつも周りを幸せにさせてきました


やがて成長と共に
この<初めて>は周りのモノから
自分のモノへと変わっていきます


喜び、驚き、感動、悲しみ、切なさ、辛さ・・・


<初めて>は
必ずしも嬉しいこと、楽しいこと
そして幸せなことばかりじゃないと気づいた時

それがきっと内面の成長だったのだと思います



人生も半ばをとうに過ぎて
気が付けば五十代も後半になりました

この歳になると
<初めて>のことなんて探す方が難しいですね


これからは歳を重ねる度に
冠言葉はむしろ
<初めて>よりも<最後の>となっていくのでしょう



それは仕方のないことでもあります

しかし、それならそれで
その<最後の>を
少しでも有意義なものにしていけたらと思います


どうせなら前向きに考えた方が良いし
どうせ受け入れるなら自分の為に受け入れましょう


そう

人生は死ぬまで続いていくものだし
そして
明日のことは誰にもわからない

だから面白い

現実や実際のところはともかく
何に対してだって
最初っから否定することだけはしないでおこう

そう生きた方が良い


”最後のあがき”と言われるその日まで



DAYDREAM

唐突に目が覚めた

『ん? ここは・・・?』

半分もうろうとした意識の中
雑多な記憶をかき分けながら
真実を手繰り寄せようともがく私


その一方で
ためらう心が真実を隠そうとしていた

これを自己防御反応とでも言うのだろうか?

そう、知りたくはない真実だってあるのだ

多分・・・今がその時
私の本能がそう伝えている


だが私の脳は私の意思とは関係なく
ひたすら記憶のタグをめくる


『ここはいったい・・・?』


瞬間
目に飛び込んできた風景

何処かで見たことがあるような
或いは初めて見るような
どちらとも言い難いその風景は
徐々に輪郭を強めていく


『何処だ? 何処だ? 何処だ?』


私の脳はフル回転で記憶のタグをめくる


やがて一枚のタグをめくった後で
私の脳は思考を止めた

これも多分、自己防御反応


付きつけられる現実

相反して
そこから目を背けようとする私


追い駆けて来る無数の現実
手足をばたつかせて必死に逃げようともがく私

だが、空気のほぞをいくら掻いたところで
私の身体は一歩も先へは進めなかった


『あぁ・・・』


へたり込む私を
覆い尽くすようにのしかかってくる現実

もはやそこからは逃れられない

どうやらここで観念をしなくてはならないようだ





    <チーーーン!>




「あっ、やべぇー!
 もう二時を過ぎてる!
 ヤバい、ヤバい!
 早く仕事に戻らなきゃ!!!」

仕事中にも関わらず
うかつにも昼、弁当を食べた後で
私は車の中で
すっかり意識不明になってしまっていたのだ

しかも、知らない間に一時間半が経っていた

「こりゃ、いかん!」

すぐに車のエンジンをかけて車を走らせ・・・

「あれっ? 俺は何処に行くんだっけ?」

どうやら
私の脳はまだ完全には覚醒しきっていないようだ

「まっ、良いか」

私は再び車を停めると
ゆっくりと煙草に火を点け
そして缶コーヒーのリングプルを開けた

焦ったところで過ぎた時間が元に戻る訳でもない

それに

そう、良くあることだ

「ドンマイ♪」

私はバックミラーに映る自分にウインクをした


良くあることさ

営業マンのDAYDREAM・・・



螺旋

ぐるり、ぐるりと廻っているうちに
自分が何処にいるのか分からなくなってしまう


ぐるり、ぐるりと廻っているうちに
自分がどっちを向いているのかも分からなくなっている


ぐるり、ぐるりと廻っているうちに
自分が上っているのか下りているのかさえ分からなくなる




ぐるり、ぐるりと廻っていると
誰かがいきなり飛び出して来た

『あっ!』

そう思った瞬間にはもう
すれ違った相手は見えなくなっていた




ぐるり、ぐるりと廻っていても
目指す頂上はいつまでたっても見えてはこない

いや
そもそも頂上があるのかさえも誰にも分からない


だから上る

それでも上る


ただ自分の意志で



人生ってきっとそう言うものなんだろう



とある日の夕方。

会社の会議室で、
来月のキャンペーンについて打ち合わせをしていた。


「いや、しかし!」

マンネリ化したキャンペーンのやり方に
上司から懐疑的な意見が出た後で俺は反論をした。

「確かに、
 キャンペーンも色々とやり尽くした感はあります。
 なんせ、四半期毎にやっていますからね。
 そりゃ、予算を問わないとでも言うなら別ですが
 益々予算が削られていく中でやるんですから
 やり方はどうしても限られます」

「やっても効果が出ないのなら
 やるだけ無駄なんじゃないのか?」

上司はさらに懐疑的な言い方をした。

「費用対効果ですか?
 そうですね。
 それは考えなきゃならないでしょう。
 しかし、うちがやらなくても
 この時期は他社は何処もキャンペーンを打ってきます。
 その中でうちだけやらないと言うのはどうでしょう?
 代理店さんの手前もあります。
 少しでも代理店さんが動きやすくなるように
 やはりここは何かしらのキャンぺーンを打つべきです」

「それはそうだが。
 で、何か良いアイデアは無いのかね?
 なんかこう・・・
 そうだ。代理店が『これは!』と思うような
 画期的なキャンペーンだよ」

上司は苦虫を噛み潰したような顔で一同を見渡した。

『そんな魔法があるならとっくにやってるよ』
そんな風に言いたげに
しかし、それを飲み込んで同僚の一人が
腕を組んで渋い表情をして俺をチラッと見た。

無言で発言を促されたかっこうの俺は
ひとつ深呼吸をすると上司に向かって言った。

「どうでしょう?
 <マンネリ>だと思うからマンネリになるんです。
 どんなモノにも定番はあるじゃないですか?
 つまり<恒例>のキャンペーンと言う訳です」

「モノは言いようって訳か?」

上司の苦虫はますます苦そうになっていた。

「いや、それは良いんじゃないですか?」

同僚のもう一人が助け船を出してくれた。

「つまり、こっちがマンネリだと思うから
 それが代理店さんにも伝染するんです。
 彼の言うように、
 敢えて恒例のキャンペーンだと
 堂々と自信を持って打てば
 こちらの真剣さも伝わるんじゃないでしょうか?」

「そんなものかね?」

「はい。どんなキャンペーンだろうと
 こちらが真剣に訴えたらきっと伝わります!
 伝わるはずです!」

「やらないよりは、まだましって事か」


上司の言った<まだまし>
それを聴きながら俺はその言葉が
何故か<さだまさし>に似てると気が付いて
吹き出しそうになるのを慌てて堪えた。


「どうしたね?」

「あっ、い、いや。そう、さだまさしですよ!」


思わず口をついた”言葉”

会議の後で上司に呼び止められて
クドクドと嫌味を聴かされていた俺の頭の中で
さだまさしの
<道化師のソネット>がエンドレスで流れていた。


”笑ってよ君のために
 笑ってよ僕のために
 笑ってよ・・・笑ってよ・・・”



「ねぇ、知ってた?
 <永遠>にだって賞味期限があるんだよ」

「えっ? 何それ? そんなもん無いよ。
 第一、それじゃ永遠にならないじゃないか」

「じゃ、永遠って何?」

「そりゃ・・・ずっと、いつまでも続く事だろ?」

「ずっとって、いつまで?」

「ずっとはずっとだよ。未来永劫とか言うじゃん」

「未来って誰の未来?」

「そりゃ・・・人類とか?」

「未来って人類のなの?
 じゃ、明日人類が滅亡をしたら永遠は明日までって事?
 それじゃ永遠じゃないわ」

「そんなの屁理屈だよ」

「だって、人類なんて歴史のほんの一部に過ぎないのよ。
 地球にだって人類が存在しなかった時があったし
 もし、人類が絶滅したって地球が残っていたら時間は続くし
 仮に地球が無くなっていたって宇宙が全部無くなる訳じゃないでしょ?」

「じゃ、永遠は時間の事だって言うのかい?」

「そうね。そう言えばそう言えるのかもね」

「なんだい? 違うのかい?」

「ううん、違う訳ではないんだけど」

「ないんだけど?」

「うん。なんて言ったら良いのかなぁ~
 永遠ってね、そんな無機質なモノなのかなって思うの」

「永遠に無機質かそうじゃないとかってあるの?」

「人間にとってはね。少なくともそう思う」

「どういう事?」

「例えばね。時間が過去から未来に流れるのって無限だと思うの。
 だって、時間ってね。
 ここでも宇宙の果てでも大昔でもずっと遠い未来でも
 何があろうと無かろうとずっと続いていくものよね」

「まぁね。時間とはそういうモノだしね」

「そうね。だから時間は無機質なのよ。
 何かに左右されるって事もきっとないわよね。
 でも、永遠ってどう? 同じだと思う?」

「ん~ 同じじゃないの?」

「時間って、人間がそう名付けただけで
 人間の意志には関係無くただ流れていくのよね。
 ううん、流れているのかさえ本当は解らないわ」

「まぁ・・・」

「でも、永遠ってね。人間だけが持つ概念だと思うの。
 そこには<想い>が込められていると思わない?」

「想い?」

「そう。誰かへの想い、何かへの想いとかね。
 それが有っての永遠だと思うの」

「ん~」

「つまり、Aという人にとってはその人が死ぬまでが
 Aという人にとっての永遠なのよ」

「じゃ、俺と君の永遠は違うのかい?」

「私とあなたでも違うと思う。
 ただ、私の中では私の永遠もあなたの永遠も一緒よ。
 もし、私が先に死んだら、そこであなたの永遠も終わるの。
 私の中ではね。
 でも、あなたの永遠は続いていくわ。
 あなたが死ぬまでね」

「ん~ そういうものなのかな?」

「あなたの中で私もあなたの永遠が終わるまで生きていたい」

「それは俺もだよ。
 どっちが先に死んだって・・・
 あっ、それが君の言う<賞味期限>ってやつ?」

「それもそうなんだけど・・・
 でも、どんなに永遠だと思っていても
 ちょっとした事で人間って心変わりをするわ。
 その時が賞味期限なのかなって」

「だから、永遠にも賞味期限があるって説だね?」

「そうね。絶対に来て欲しくない賞味期限だけど。
 私、生きている間は
 あなたとの永遠をずっと大切にしていきたいの」

「もし、そうだとしたら
 俺は永遠なんてクソッくらえだな」

「どうして?」

「本当の愛って死んで終わるようなものなのかい?
 俺はそうは思いたくはないな。
 確かに人間はいつか死ぬよ。
 どんなに愛し合ったって
 必ずどちらかが先に死ぬだろうけど
 魂になったって愛は生き続けるだろうし
 いつか生まれ変われるとしたら
 又、君を探して恋に落ちる。
 そうやって、愛は繋がっていくもんだと思いたいよ。
 それが永遠って意味なんだって思う。
 違うかい?」

「うふふ。ロマンチストね」

「そもそも永遠って言葉自体がロマンチックだからね」

「そうね。でも、その言葉はちゃんと覚えていてね」

「もちろんだよ!」

「そうじゃなきゃ永遠にあなたを呪うわよ」

「おー怖っ! ずいぶん怖い事をシレっと言うね?」

「それも愛よ」

「ん~ やっぱり、永遠にも賞味期限が有る事にする?」

「だ~め! それじゃ、永遠にはならないんでしょ?」

「あれっ? なんか言う言葉が変わってないか?」

「それが女なの。
 女はね、頭の中と心の中は違うのよ」



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