Neko

夢の汽車に乗って 2015年07月

プロフィール

yumenokisya

Author:yumenokisya
現住所 北海道十勝国

 好きな言葉は
『なんとかなるべさ』

 そう、生きてさえいれば
何とかなるもんです。。。
   


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妄想カフェ

男は真夜中になると決まってそこにやって来る。
そう、いつも丁度デジタル時計が十二時を表示した頃だ。


いつもの指定席に座り男は持って来たノートパソコンを開く。

パソコンの電源を入れて立ち上がるまでの時間。
男は席を立ち、セルフの珈琲を入れる。
砂糖やミルクを入れる訳ではないのに
男はカップに注いだ珈琲をスプーンで一回掻き混ぜる。
まるで決まった儀式でもあるかのように。


席に戻ると男はテーブルの上に置かれた真新しい灰皿を横目に
胸ポケットから猫の模様の携帯灰皿を取り出し
そして水色の百円ライターで煙草に火を点けた。

パソコンの画面と男の間の空間を揺らすように紫色の煙がたなびく。

その時
紫色のスクリーンに浮かび上がる男にしか見えない映像。

拡散された煙に揺れる
誰かの想い出に取り残された
その断片のような映像を男は丁寧に拾い集めると
キーボードの上にひとつひとつ文字として落としていく。


やがて断片的だったそれぞれの言葉達が
パソコンの画面の中で並び替えられ
そして、時には幾つもの装飾を纏い一本の道になっていく。


飲みかけの半ば冷めた珈琲が
最後の香りを振り絞って男にその存在をアピールしている。

だが、男はそれには気が付かない。
抜け殻だけをここに残して今、男はここにはいないのだ。


男の脳内に拡がる無限の宇宙。
ただ見ていれば単なる煌めきにしか見えないもの。
しかし男にとっては
そこに見える星のひとつひとつが意味のあるものだった。
いや、それらはかつて縁だったと言った方が正しいのだろう。

時に懐かしく男に微笑み、男も又、微笑みを返す。
時に切なく胸を締め付けるのは後悔か?
或いは、止めどない哀しみか?


フラッシュバック、そして巻き戻される時間。

かつての男がそこにいた。

誰かと笑っていた。
独りで泣いていた。
他愛もないことで悩んでいた。
根拠のない自信に満ちていた。

あの頃の夢や希望も挫折すらも
今は何もかもが愛おしい・・・そう男は思っていた。


緩やかに流れる時の海を行きつ戻りつ男は漂っていた。
いつか感じていた温もりを懐かしみながら。


どのくらい時間が経ったのだろう?
気が付くと男は青く拡がる空に浮かんでいた。

スローモーションのようにゆっくりと
左の端から虹が伸びてそれは大きなアーチになった。


男はその虹に腰掛けると通りかかった雲に訊いた。

「ここはどこだい?」

雲はただ笑って通り過ぎていった。

男は今度は髪をなびかせた風を掴まえると尋ねた。

「ここはどこだい?」

風は面倒くさそうに答えた。

「やれやれ、まだ気が付いていないのかい?
 ここはこれからお前さんが知るべきところだよ。」

「知るべきところ? それは・・・?」

「何、焦ることはないさ。
 お前さんはただ受け止めれば良いんだ。」

男はその言葉に従って大きく息を吸い込むと
そして、静かに目を瞑った。


やがて、男は目を開けると
目の前のパソコンの画面に向かって
ただ無心に受け止めたばかりの言葉を落としていった。


今夜紡がれるはずの物語の半分はまだこの世にはない。
いつ生まれて来るのか?
それを知っている人もない。
もちろん、それは男にも判ってはいない。
ただ、確信だけはしていた。

自分だけがこの物語を完結できるのだと。


男は今夜も冷めきった珈琲を横にパソコンに向かっている。



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コイバナ

いきなりですが(笑)


私の初恋は小学校四年生の冬
時はまさしくスキー授業の最中

(あー、北海道らしいですね)

同じクラスの子で
スラリとした女子では一番背の高い可愛い子で
私も男子では一番背が高かったので
身長の順番に滑ると必然的に
私が最後、彼女が私の前に滑る

そういう図式になっていた訳です

私の前の男子が滑り
スキー場の頂上には私と彼女の二人っきり

これは押し倒すチャンス!
今だったら、間違いなくね

(おいおい!)

でも当時
私は田舎の純情少年でしかもけっこう奥手だったので
その時、その瞬間までは恋など知らずにいたのです


その彼女が滑り始める瞬間
私の方をチラッと見てニッコリ微笑みました

(私にはそう見えた)

で、彼女は当時流行っていた歌を口ずさみながら
滑って行きました

『好きなのにあの人はいない
 話相手は涙だけなの・・・』
  *黛ジュン <天使の誘惑>

ねぇ? 聞いた?
天使の誘惑ですよ!

これはもう<ズキューン!> ←ハートを射抜かれた音


で、どうなったかって?

翌年の春、私の転校で・・・何事もなく・・・
なんせ、田舎の純情少年だったので



二回目の初恋(?)は小学校六年生の時
またしても同じクラスの女の子でした

名字の一文字、名前の一文字が同じだったせいで
友達に良く冷やかされていました

日直当番でたまに一緒になると
教室の黒板に相合傘で書かれたりして


そうやって冷やかされているうちに
これが不思議?

だんだんと意識しちゃうようになるもんなんですね

それから
彼女のことが気になるようになって・・・


なのに
冷やかされると逆に
本心とは裏腹に意固地になって否定したりして

まぁ、若いというか青いというか


そんなでしたから

当然、片思いで終わったのですが

それからと言うもの
片思い話には事欠きません


中学、高校、大学、社会人・・・

いったい何人の女の子に片思いをしたことでしょ!?



私が生まれて初めて
女の子と一対一でデートをしたのは高校三年生の時です


遅いですか?

いやいや
こうみえても当時はかなりの純情派だったんです

今では考えられな・・・
あっ、いや、、、今でも十分に純情ですけどね(笑)


「かぐや姫」のコンサートに行きました


当時はフォーク全盛の時代

ご多分にもれず私も
毎日のように
悪友達と集まってはギターを弾き
そして、歌っていました

当時の私のアイドルと言えば
「かぐや姫」「吉田拓郎」etc・・・

その「かぐや姫」のコンサートです

彼女との初めてのデートにも関わらず
コンサートにすっかり夢中になってしまいまして

【 減点10 】

大興奮のコンサートが終わって
会場の外に出たらもう門限の三十分前

(当時、下宿生だった私の門限は十時だったんです)

本当であれば彼女と二人
コンサートの余韻を楽しみつつ
ゆっくり手でも繋ぎながら歩いて語らい

時は夜です

暗い人気の無い道を選び
隙有らばあんなことやこんな・・・あっ、いや

ま、まぁ~ 青春?(笑)


が、しか~し門限三十分前(笑)


当時の私はどれだけ真面目だったんでしょう
自分でも呆れてしまう程?


彼女と二人でコンサートの余韻に浸るヒマもなく
彼女を家に送るでもなく

【 減点298 】←300点満点?

私はダッシュでチャリを漕ぎ下宿に帰ってしまいました

【 減点∞ 】


後のことは・・・

もう訊かないでやってください


今の私なら門限より彼女を取るんだけどなぁ~


まぁ、そんなこともあったと言う話です(笑)



楽しかろうと苦しかろうと
人間の生など知ってか知らずか
時はいつも淡々とその歩みを刻み続ける

人間の一生にとっては
時は単なる傍観者に過ぎない



幸せだとか不幸だとか
それは時が決める訳ではない

人間がただそう感じているだけだ


時が何かを解決してくれることもない

人間がただ自分の心と
時間をかけて折り合いをつけていくのだ



時は流れるというけど

その人間の一生を見た時
時は
ただ流れていくだけのものではないことに気が付く


むしろ、時は流れない

それは積み重なっていくものなのだ


心の襞に記憶の一片づつを織り込みながら
人が生きる時は
昨日から今日
そして今日から明日へと積み重なっていくのだ

その人の人生に深みを付け加えながら



夜しか咲けない花は哀しい花ですか?

あなたに見つけてもらうのを
今夜も独りで待っています

愛されたくて 愛されたくて
ただ、あなたにだけ愛されたくて

暗い闇の中
あなたが見つけられるように
白い花をつけました





太陽に愛されて咲く向日葵の花

羨ましいとは思うけど
それがあなたじゃないのなら

愛されたくて 愛されたくて
ただ、あなたにだけ愛されたくて

人には言えない
愛だとしても後悔しない
独りでつけた花だから





誰にも知られず咲く花一夜

もしも月に情けがあるのなら
ひと時だけでも照らして下さい

愛されたくて 愛されたくて
ただ、あなたにだけ愛されたくて

儚い夢一輪
あなたの為にせいいっぱい
白い花をつけました




かつて、メイがそうだったように

あんなに愛していたジューンまでもが
突然
何も言わずにボクの前からいなくなった翌日


ボクの心の中にそっと入り込んだジュライさん


今にして思えば

メイは暖かな笑みの中にも
何処か冷たさが同居していたように思う

ジューンは一言でいえば
そう、穏やかな温もりを私に与えてくれた

でも・・・

時々、見せた涙雨は
いったい何を語ろうとしていたんだろう?


ボクはただ
君達には求めることしか
してこなかったように思う

メイには
春の日溜りのような温もりを

そして

ジューンには
梅雨空に垣間見える青空のような心の安らぎ


こんなボクだもの
君達が
去って行ったのも無理のないことだね


そうやって落ち込んでいたボクを

救ってくれたのは
ジュライさん、あなたです


ジュライさん

こんなボクでも
あなたは愛してくれますか?


ジュライさん

いつまでもボクの傍にいてくれますか?


昔は大好きだったオーガストさんは
今のボクには情熱的過ぎます

ジェニュアリーは逆に冷た過ぎて
ボクは心の芯まで凍えてしまいそうになります


ジュライさん

今ならハッキリと言えます

ボクにはあなたしかしないのです!


ジュライさん

あなたと歩いた向日葵畑
あなたと眺めた天の川

そうそう!
花火大会も一緒に行きましたね?


ジュライさん

今年も又
あなたに出会えたこと

どれほど今
ボクの心は躍っているか解りますか?


ジュライさん

夏休みには一緒に海に行きましょうね


ジュライさん

あなたとなら
いつまでも一緒にいたい


ジュライさん

それは叶わぬ願いなのでしょうか?




 To my Dear Ms.JULY

  From The man who loves you











それにしても
今年のジュライさんはちょっと情熱的過ぎですけどね

暑ぃ・・・



『はじめに』

この用語集は政治家・官僚の皆様の「雲上人生活」を
快適に過ごして頂く事を目的に編纂されています。
言葉本来の意味などは気にせず御使用下さい。
又、何か困った折りには使える用語も
多く集めておりますのでぜひとも御役立て下さい。



≪ ア行 ≫

【 安全保障 】
 もちろん自分達の身の安全を守ることです。
 その為にも大国の機嫌は損ねないようにしましょう。


【 遺憾 】
 釈明会見、謝罪会見等
 どんな不測の場面にも使える重宝な言葉。
 本来の意味は
 「期待したようにならず残念に思う事。」
 つまり、「反省」の意味は全く含まれていないので
 心おきなく使えます。
 又、接頭語として「はなはだ」を使う事で
 ”とても迷惑だ”と言う気持ちを
 広く一般に伝える事が出来ます。


【 鋭意努力する 】
 それらしいポーズを示したい時に使える言葉です。


【 オフレコ 】
 マスコミを上手く使いたい時に
 この言葉を添えると大きく取り扱ってくれます。



≪ カ行 ≫

【 改革 】
 時間を稼ぎたい時に使える言葉です。


【 可及的速やかに 】
 自分のペースですると言う意味で使います。


【 外遊 】
 公費で行ける海外旅行。
 もちろん、家族同伴で構いませんし
 ゴルフ代もお土産代も公費から支出されます。


【 危機管理 】
 大して気にしなくても良い言葉です。
 これが無くてもそう簡単に国は滅びません。


【 規制緩和 】
 最終的な権限は残しておく事。


【 忌憚の無い意見 】
 建前を求める時に使います。
 耳障りな言葉は無視をしておけば良いのです。


【 喫緊の課題 】
 その内やれば良い課題を指します。


【 機密 】
 国民に知られたら困る事柄。


【 行政改革 】
 真剣に取り組まなくても良い事の例え。


【 許認可権限 】
 いわゆる伝家の宝刀です。
 有無を言わせずに圧力をかける事が出来ます。


【 苦渋の決断 】
 国民に無理を通す時は
 この言葉を添えると通りやすくなります。


【 献金 】
 法律の抜け道は幾つも残してありますので
 気兼ねなく集めて問題はありません。


【 憲法 】
 国民を縛る為の法律であり
 その解釈は自分達で決めて良いことになっています。


【 現在調査中 】
 時間稼ぎ用の言葉です。
 もちろん、未着手の時にも使えます。


【 厳粛(真摯)に受け止める 】
 本当に受け止める必要はありません。
 ポーズを見せるだけの時に活用下さい。


【 原則 】
 本目的を、さも例外のように見せられる魔法の言葉。


【 公費 】
 好きに使って良いお金の事。


【 公約 】
 守らなくて良い口約束の事。


【 国益 】
 もちろん、自分達の利益の事です。


【 国民 】
 せっせと税金を納めてくれる金づる。


【 コミット 】
 本来は「約束。誓約。公約。確約」の意味ですが
 うやむやにしたい時に英語を使うと
 解釈の違いを理由に出来て非常に便利です。



≪ サ行 ≫

【 採決 】
 物事を決めたい時に行います。
 どうせ野党は欠席(又は、退席)をするので
 強硬採決なら尚有効です。


【 再発防止 】
 責任を逃れたい時に使います。
 口約束で問題ありません。


【 慙愧(ざんき)に堪えない 】
 本来の意味は
 「あまりに恥ずかしくて死にそうなくらいだ」の意。
 「慚」は人に恥ず、「愧」は天に恥ず。
 でも、それは気にしなくても大丈夫です。
 一応反省をしているフリをしたい時に使う言葉です。
 とりあえず難しい言葉を使えばそれらしく聴こえます。


【 然るべき時 】
 時期を明確にしたくない時、明確に出来ない時には
 この言葉を使用すると便利です。
 「自分にとって都合の良いタイミングで」
 と、言う意味でも使えます。


【 至急、迅速且つ慎重に 】
 この言葉で一番意味を持つのは「慎重に」です。
 時間を気にせずゆっくり慌てずにやる事を言います。


【 失念 】
 忘れていたとしても決して認めてはいけません。
 反省のポーズだけで済ましたい時に使います。


【 釈明会見 】
 その場しのぎの言葉を並べて煙にまく舞台。


【 集団的自衛権 】
 あくまで強調をするのは「自衛」です。
 曖昧な部分を多く残すことで
 後の対応をしやすくしておきましょう。
 仮に現地に危険が有ったとしても
 皆様は安全です。


【 重要法案 】
 自分たちの利益にとって大事な法案を言います。


【 粛々と進める 】
 反対意見を無視したい時に使います。


【 職責を全うする 】
 もらった役職を手放したくない時に
 その旨をアピールする為の言葉です。


【 諸般の事情 】
 自分の都合を言います。


【 集中審議 】
 法案をすぐに決めてしまいたい時の会議。


【 事態の推移を見守る 】
 何もしたくない時にとりあえず使う言葉。


【 十分に配慮 】
 国民にでは無く、政治家や官僚同士。
 或いは、長老議員や先輩官僚に気を利かせる事です。


【 責任 】
 特に地位が上の方ほど
 絶対に認めてはいけない言葉です。
 何か失敗をしても大きな事件・事故が起きても
 気に病むことはありません。
 良くあることなのですから。


【 説明責任を果たす 】
 曖昧な言葉でお茶を濁して
 その場を回避出来ればそれでOKです。


【 選挙 】
 堂々と嘘を並べても
 当選さえしたら全て許されます。
 国民に直に触れたくない場合は
 白い手袋をはめる事を勧めます。


【 選挙区 】
 お金が埋まっている畑の事です。


【 善処 】
 対応するのが面倒な時はこの言葉を使います。
 実際に対処する必要はありません。


【 前例がない 】
 逃げ言葉。
 面倒な頼まれ事を断る時に良く用います。


【 想定外 】
 責任逃れや非難を避けたい時に使う言葉です。



≪ タ行 ≫

【 対応を協議する 】
 時間を引き延ばしたい時はこの言葉が便利です。


【 大局 】
 大雑把で良い事。


【 第三者委員会 】
 逃げ口上の時に設置できる便利な委員会。
 言い含めの効くメンバーで構成をするので
 後の心配は必要ありません。


【 大所高所に立つ 】
 細かい事には拘らない大局的な判断を言います。


【 適宜 】
 適当にお茶を濁したい時に使う言葉。


【 適切な処置 】
 身内に火の粉が降りかからないようにする事です。


【 特段の理由 】
 別に聞きたくは無い理由の事。



≪ ナ行 ≫

【 根回し 】
 お互いに責任がかからないように調整をする事。
 時には、その為に使うお金を指す場合もあります。



≪ ハ行 ≫

【 非常事態 】
 無理を通したい時に使うと便利な言葉です。


【 不退転の決意 】
 強くポーズを見せたい時に使います。
 もちろん、結果なんて気にする事はありません。



≪ マ行 ≫

【 前向きに検討 】
 「善処」と同類語です。
 結果は気にしなくても問題ありません。


【 民意 】
 自分達に都合よく解釈して良い数字や論調。


【 申し上げる立場にない 】
 責任を他に押し付けたい時に使います。



≪ ヤ行 ≫

【 憂慮 】
 いちいち気にしても仕方のない事。


【 癒着 】
 仲良くするの意であり、何ら責めを負う事はありません。




『編集後記』
2014年に初版を発表後、改定を加えて二版目になります。
もちろん、これはタップリの皮肉を込めたパロディです。
でも、案外
こんなところが政治家や官僚の本音かも知れません。


前向き

”人にあるのは向き、不向きではなくて前向き”

そう言った人がいます


うん

素敵な言葉ですね



例えば仕事

好きな仕事、やりたい仕事に
つけている人の方が多分少ないでしょう

大半の人は
生活の為とか目的の為と
割り切って仕事をしています


だから
上手くいかないことがあったりすると

つい

「今の仕事は自分に向いているんだろうか?」

そんなことを
時々、フッと考えてしまいます


「もしかしたら
 他にもっと自分に合う仕事があるんじゃないか?」

「本当は自分の夢を叶えたかった」

「こんなはずじゃなかったのに」


でも

例え、自分が
心から望んでいなかった仕事だったとしても
それで給料をもらって生活をしている以上
その道のプロでなければなりません


向いているとか向いていないとか
そんな事をうじうじと悩んでいる間に
他にやるべきことはあるはずです


もちろん

もう一度思い直して
自分の本当にやりたかったことに挑戦をすること

それも有りです
本気ならね


どんな道を選択するにせよ
それは自分で決めることなのですから
決めた以上は前向きにいきたいものです

例え
生活の為と割り切った仕事だったとしても
前向きに考えれば
少しはやりがいだって出てくるものです

やりがいが見つけられないならなら
何かひとつ自分なりの楽しみを探せば良いんです

時々、チラチラと右や左を見ながらでも
ちゃんと前を向いて歩いて行けば
きっと探しているモノだって見つかるはず

仮にそれが見つからなくたって
もしかしたら
それ以上に新しい何かが見つかるかもしれません

そう、だからしっかり前を向いて行こう!


そう自分に言い聞かせながら・・・



どうした、北海道?

日曜日には我が十勝国が36.3度とかで
全国ニュースにもなっていました

が、しかし
翌、月曜日・・・つまり昨日は26度

ホッとしたのも束の間
又、今日は32度

本州から避暑に来た観光客には
「詐欺だー!」って怒られそうですね

とはいえ、館林市は39度なんてニュースを観たら
こんな北海道の暑さなんか赤ん坊みたいなもんでしょうか?


でも、北海道人にとってはこの暑さは耐え切れません

我が家には自慢じゃありませんが
車には当たり前に装備されているエアコンなる文明の利器が
セットされていないのですから

(北海道の家では無くて割と当たり前)

窓を開けようとすると猫達が虎視眈々・・・いや
猫視眈々と脱走を企むので迂闊に窓も開けられず

まぁ、窓を開けたところで入って来るのは
生ぬるい風だけなので大して意味はないのですが

そんなこんなあんなで
私なんかも溶けてしまいそうです

(でも、何故か痩せないんですけどね~)

溶けると私の表面を覆う理知的な部分が剥がれ落ち
今までは
何とかかんとか理性で隠し通していたアホな面が・・・

(隠せ、隠すんだー! 隠し通せぇ~~~!)

てな訳で・・・今夜はこれに引き続き暑さネタを三題

  *今夜は暑さに免じて軽ぅ~~~っく?
   スルーしてやってくださいませ m(_ _)m




そりゃね
こんなうだるような暑さの日が続くと
私の明晰な頭脳だって腐った雲丹状態になる訳ですよ(ボソッ)



① 役員室


うだるような暑さの昼下がり


A「なぁ、いくら省エネだって言っても
  こんな日くらいは
  エアコンをもっと効かせて欲しいよな」

B「あぁ、本当だよな。
  こんなに暑くちゃ仕事にならないよ」

A「役員は良いよな。
  奴らの部屋はエアコンがバリバリ効いて
  快適だって話だぜ。
  しかも、美人の秘書に
  ゴルフのパターの練習場付きだ」

B「そうなんだ?
  そりゃ、羨ましいね。
  でも、俺ならエアコンは効かせないな」

A「なんでだよ?」


Bはニヤリとして言った

B「部屋を暑くしてた方が秘書が薄着になるだろ?」





② 見えない制服


うだるような暑さのある日、制服の行商が会社を訪れた


社員「いやいや、我が社では
   制服を入れる業者さんはいつも決まってるんで。
   お引き取りください」

行商「それは重々承知しております。
   こんな立派な会社様でございますから。
   ただ、我が社では
   他では絶対売っていない制服があるんですが
   一度だけでも、見てもらえませんでしょうか?」

社員「そうは言っても、困りますよ」

社長「どうしたんだね?」

社員「あっ、社長。いや、実は・・・」

行商「これはこれは社長様でございますか?」

社長「この方はどなたですか?」

社員「制服の行商だと申しております」

行商「はい。他では扱っていない制服をご紹介しております」

社長「ふむ、どれどれ?」

行商「一番のお勧めはこれでございます。
   生地といい、縫製といいこの上ございません。
   ただ、この制服は少し特殊な素材を使っていまして
   頭の悪い女性や美人じゃない人
   更には
   会社に忠誠を尽くしていない人には見えないのです」

社長「ふむ・・・」

業者「賢明な社長様でしたら
   この制服の良さを分かって頂けると思うのですが?
   どうぞ、手にお取り頂いてお確かめ下さい」


社長はその”制服”を手に取ってしばし考えた

そして言った

社長「良し、分かった。
   この制服を百着もらおうか」


商談が成立して業者が帰った後で社員が訊いた

社員「社長、本当に良いんですか?」

社長はニヤリとして言った

社長「良いんだ。
   たいそう素晴らしい制服じゃないか。
   説明したら女子社員が
   喜んで着たがると思わないかね?」





③ 雪女


うだるような暑さの昼下がり


A「なぁ、いくら省エネだって言っても
  こんな日くらいは
  エアコンをもっと効かせて欲しいよな」

B「あぁ、本当だよな。
  こんなに暑くちゃ仕事にならないよ」

A「全くだよ」

C「どうしたんだい?
  こんな所で油を売って何の相談だ?」

B「いやね、こんな暑くちゃ仕事にならないってさ」

C「なんだ、そんなことかい?」

A「そういや、お前は随分涼しい顔をしてるよな?」

C「あぁ、うちの部署ならエアコンはいらないくらいさ」

B「なんで? 総務部ってそんなに快適だったっけ?」

C「とんでもない。
  いつもお前らみたいなのに文句は言われるし
  最悪だよ」

A「じゃ、なんで?」

C「うちには雪女がいるからね」

A「雪女?」

C「あぁ、総務部長がカツラだって知ってるだろ?」

B「うん。 まぁ、本人は誰にも知られてないって
  思っているらしいけど、みんな知ってるよな」

C「あぁ、公然の秘密って訳だ。
  それが、この前なんか彼女
  部長宛の郵便物が来てたら大きな声で
  『部長、カツラの会社から請求書が来てますけど
   これって経理に持って行くんですか?』
  なんて、平気で訊くんだぜ。
  もう、みんなが凍りついたよ」

A「おー、勇気ある発言だね」

C「よせよ、笑い話じゃないぜ。
  昨日なんかさ
  常務に電話があったんだけど
  また、彼女が取ってさ
  『常務、色っぽい女性から電話なんですけど
   内緒で繋いでくれって言うんですけど』
  って又、大きな声でさ。
  ありゃ、常務の女からだぜ。
  もう、みんな冷や汗をかくやら凍りつくやら
  大変だったんだ」

B「で?」

C「あぁ、今朝突然辞令が出てな。
  彼女、沖縄支店に転勤だよ」

A「なんで又、沖縄なんだい?
  普通、島流しするなら北海道とかじゃないのか?
  沖縄なんかって言ったら
  リゾート地だし、左遷にならんだろ?」

C「あぁ、そうなんだけどな。
  でも、会社としては経費を優先したらしいよ」

B「経費?」

C「あぁ、彼女が沖縄に行けば
  沖縄支店はエアコンはいらなくなるだろ?
  あそこは一番、エアコン代がかかってるからな」



言い訳

現実として
社会の中では<真実>を話すことが
全て相手の為になるのか?
と、いうと
必ずしもそうではない場合もあります


”嘘も方便”
と、いう言葉もあるように
時には
敢えて<真実>を話さない方が
相手にとって良い場合もあります


<真実>が相手の心を開くこともあれば
<嘘>が相手の心を
癒したり慰めたりすることもあるのです



それでは

<言い訳>
と、いうのは
全部が全部<嘘>なのでしょうか?

少しは
<真実>なのでしょうか?

それとも

あくまで
単に
自分に都合の良い<詭弁>なのでしょうか?



”誤解を解きたい場合”
”謝りたい場合”
或いは
”自分を正当化したい場合”

僕らは<言い訳>をします

そしてそれは
”相手の為”と、言いながら
実は”自分の為”だったりします


逆に
相手の<言い訳>を言い訳だと解っていて
それでも敢えて逆らわずに受け入れたりもします

それは優しさなのでしょうか?
それともただの臆病なのでしょうか?



失敗をした時の言い訳

時間に遅れた時の言い訳

それは自分を繕う為の<言い訳>



ちょっとしたケンカの時の言い訳

別れる時に使う切ない言い訳

それは多分
相手を傷つけない為の<言い訳>



<嘘>は時々
潤滑油になったりもします

あくまで時々ですが・・・


なら、<言い訳>はどうなんでしょう?



<言い訳>と<嘘>

あなたなら
どっちを許せますか?


それとも

どんな言い方をしたとしても
<言い訳>も<嘘>も
相手をごまかすという点では同じです

やっぱり、どちらも許せないでしょうか?



<夢>を科学的に説明するなら
やれ「レム睡眠」がどうとかという話になるのでしょうが
なんせ、私は根っからの文系。

小難しいことはチンプンカンプンなのです。

かと言って
じゃ、哲学的に考察すれば
「フロイト曰く、潜在意識下における何がなんちゃらで」
とか言われても
それも又、私にはサッパリな訳で。

良くある夢占いだと
「追いかけられる夢を見た時は
 精神的に追い詰められている時だ」
とか、色々とパターンはありますが
冷静に考えてみれば
「そりゃそうだ」と、思う域を出ない訳でして。

等々・・・


おそらく<夢>について語る時
科学者、哲学者、宗教家、詩人、占い師、ペテン師?
誰が語ってもそれぞれの言い方があって
そのどれを聞いても私なんかは

「ふむふむ。なるほど」

とは思うけど

「結局は何?」

ってなるのがオチでしょう。


きっと、おそらく、多分、或いは Maybe
みなさんもそうですよね?

(みなさんに於いては大変失礼とは存じますが
 ここを決めつけないと話が進みませんのであしからず)


と、いうことで?
私がみなさんに解り易いように解説をしてしんぜましょ。


よく夢とは無意識に持つ意識だとか願望
或いは、現在の状況が意識下に残っていて
それが夢という形になって表れるとか言われます。

過去の想い出・・・楽しかったこと、悲しかったこと。
現在の心境・・・悩みだとか願望。

確かに、そういう夢もあるでしょう。


でも、こんな夢は見たことはありませんか?

登場人物は今の自分と二十代の時に付き合っていた元恋人。
その他、何故か高校時代の悪友も登場。
でもって場所は子供の頃に住んでいた街。

これってどういう関連で
どうしてこんなに
色々なモノがごちゃ混ぜになって夢に現れるのでしょう?


ここで私はひとつの仮説を立てました。

”今、ここに存在する自分と
 時間軸を異とする別な時間軸が幾つも存在する。

 所謂、パラレルワールドと呼ばれているものです。

 但し、その時間軸を流れる早さは
 それぞれが必ずしも一定ではなくて
 必ずしも平行を保っている訳ではない。

 そこに生じる<微妙なズレ>に拠って
 その時間軸上の自分を含む人間の人生展開にもズレが生じる。

 したがって、同じ自分でありながら時間軸が違えば
 その辿る人生は似て非なるものになるのである。”


ひとつ断っておきますが
「何を根拠にそんなアホなことを」とか
「科学的に証明されてはいない」とか
そこはノークレームでお願いします。

解かった上で書いているのですから。


話を元に戻しましょう。

この仮説に則って考えると
唯一、ごちゃ混ぜの夢の説明がつくのです。


① 時間軸を流れる早さは一定ではない。

つまり、今自分がいる世界よりも
時間の流れが速い、遅い
或いは同じ時間軸上でも
早くなったり遅くなったりする時間軸が存在する。
このことに拠り、同じ瞬間を切り取ったとしても
そこに存在する自分の年齢、時代は異なるものとなる。

② 必ずしも平行を保っている訳ではない。

つまり、近接する複数の時間軸同士が
お互い近づいたり離れたりを繰り返している。

③ そこに生じる<微妙なズレ>に拠って
  その世界の自分を含む人間の人生展開にもズレが生じる。

つまり、例えば何かに成功した自分、失敗した自分
或いは、チャレンジすらしなかった自分。
或いは、過去の自分と未来の自分等々
異時間軸上には幾つも自分が存在し得る。


異時間軸上とはいえ
簿妙なズレを持った自分とはいえ
自分はあくまでも自分なのです。
なので、思考形態や脳から発する信号の波形
その他、DNAの根幹は同一なのですから
異時間軸同士が近づいた時は良くも悪くも干渉しやすく
当然、お互いに影響も与え又、受けやすいのです。

つまり
今、ここに存在する自分と違う時間軸にいる自分が
干渉作用に拠りお互いに強く影響を与え合っている。

その現象が特に顕著に表れるのが
心がフラットな時、つまり寝ている時だとしたら?


<デジャブ(既視感)>という話になると
「それは過去に読んだ雑誌の生地だとか
 テレビで観た風景が<その時>に
 あたかもそれが自分の記憶であるかのように
 思い起こされるのだ。」
と、いうのが一般的な見解でしょう。

でも、果たしてそれだけでしょうか?

異時間軸上の別な自分が確かに体験をしたことが
干渉作用によって刷り込まれるなんてことも
その中には含まれているのかもしれません。

ただ、それを検証する手立ては
現代の人類には持ち合わせていません。

私の脳内の森羅万象の智恵が真実が語らせているとしても
私が単なるペテン師だったとしても
でも、この仮説だと納得できるでしょ?

まぁ、信じるも信じないもあなた次第なんですけどね。



それは見たこともない風景だった。
荒涼とした岩肌と砂に覆われた大地。
<俺達>はバギーのような二人乗りの車に乗って小高い丘陵地に出た。
二人共、宇宙服を着ていた。

後ろを振り返るとどれくらい離れているだろう?
眼下には巨大な透明のドームが見えた。
多分、俺達はそこから来たのだろう。
ドームの中には煌めくばかりの光を灯した巨大な高層ビル群がそびえていた。
絵葉書でしか見たことはないが
その景色はやや俯瞰で見たニューヨークの夜景の何個か分はあるのだと思う。



「やっぱり、ここが一番キレイね。ドームの中から見るのとは大違い」

君はそう言うとバギーを降りて近くの小岩に腰をおろした。

「あぁ、そうだね。シティのドームは紫外線対策とやらでフィルターがかけられているし。
 そのフィルターも昼間は青空で夜は星空とはいえ投影された映像だから実物とは違うしね」

そう言いながら俺も並んで腰をおろした。

見上げた空には蒼く輝く地球とその少し上には天の川が長い帯のように見えていた。
ここに来ると星々の煌めきが本当に良く分る。
この場所は二人のお気に入りの場所だった。
とはいえ、規則が厳しくてここに来られるのは一ケ月に一度。しかも二時間だけだ。
それ以上はいくら宇宙服を着ていても強烈な紫外線が人間には非常な害になるらしかった。


「ねぇ、知ってる?」

君が訊いた。

「えっ? 何を?」

「小さい頃に本で読んだんだけど人類が大昔に地球に住んでいた頃ね。
 今日、七月七日は七夕だったんだって」

「<たなばた>? 何だいそれは?」

「<七夕伝説>といって昔の地球の神話なのか童話なのかは分らないけどこんな話よ」
 

織姫は天帝の娘で機織の上手な働き者の娘であった。
彦星もまた働き者であり、天帝は二人の結婚を認めた。
ところが、めでたく夫婦となった二人は夫婦生活が楽しくて
やがて織姫は機を織らなくなり、彦星は牛を追わなくなった。
このため天帝は怒り、二人を天の川を隔てて引き離したが
悲しみに暮れる織姫を不憫に思った天帝は年に一度、七月七日の夜だけ会うことを許した。
天の川に何処からかやってきたカササギという鳥が橋を架けてくれ二人は会うことができた。
しかし七月七日に雨が降ると天の川の水かさが増し
織姫は渡ることができず彦星も又、織姫に会うことができない。
星の逢引であることから七夕には星合いという別名がある。
また、この日に降る雨は催涙雨とも呼ばれる。
催涙雨は織姫と彦星が流す涙といわれている。


「どう? ロマンチックな話だと思わない?」

「そうだね。何だか教訓めいてる気もするけど」

「もう! あなたってホント、クールっていうか夢がないのよね」

君は宇宙服のヘルメット越しでも良く分るくらい口を尖らせた。

「あはは、ごめんごめん。いや、大変ロマンチックでございます」

「もう良いわ、知らない!」

「ごめんごめん」

俺は苦笑いをしながらヘルメットの後ろを掻いた。

「でも・・・そんな話を聴いてから改めて天の川を見ると何か違って見えるよね」

「でしょ、でしょ?」

君はヘルメット越しからでも良く分るくらいとびっきりの笑顔を見せた。
立ち直りの速さで君に敵う者はいないんだと思う。

「ねぇ?」

マジマジと俺を見ると君は訊いた。

「なんだい?」

「もし・・・もしよ。私達が無理やり引き離されたらどうする?」

「どうするって・・・そんなことは有り得ないよ。
 俺達はシティの人口管理コンピューターで何百万もの相性の中から選ばれたんだぜ。
 相性が合わないなんてことはないからケンカもしないだろ?
 だから途中で別れるなんてことは絶対にないし
 第一、そんなことはコンピューターは許さないよ。
 病気だってもう何百年も昔に淘汰されたから病気にもならない」

「それはそうだけど・・・」

期待していた回答ではなかったのか君は不満そうに呟いた。

「まぁ、確かに人類はまだ寿命だけは克服してはいないけどね」

「だから、もしよ」

「そうは言ってもなぁー あっ!?」

俺は突然、明け方に見た夢を思い出すと
その時見た夢の映像が一瞬脳裏にフラッシュバックをした。

「いや・・・あれは・・・」

「えっ? どうしたの?」

怪訝そうな顔で君が訊き返した。

「あっ・・・い、いや、なんでもない」

「もう変な人ね。何かあるならちゃんと言ってよ」

「いや、ホント・・なんでもないんだ。大丈夫、うん・・・大丈夫」

「ねぇ? そう言えばあなた、今朝も変だったわよ。
 起きて来るなり突然抱きついて来たりして。
 『良かった』とか何とか言ってたけど何だったの?
 あの時もあなたは『なんでもない』って教えてくれなかったけど・・・
 何? 悪い夢でも見た?
 変ねぇ、そんなプログラムはされていないはずなんだけど」


広い空間が確保されているとはいっても所詮はドームに囲まれた中だ。
いくら昼と夜の空の映像が<それらしく>流されていたとしても
いくら街中の公園に緑がたくさんあったとしても
いくら郊外の林に鳥や小動物がいて人々の癒しになっていたとしても
その半分は人工的に造られた<モノ>だし
いわゆる閉鎖的な空間には違いないので
どうしても人間は感情に変化をきたしやすくなってしまう。
そこでコンピューターは人間の夢をコントロールする<システム>を創り上げた。
その<システム>のおかげで悪い夢などを見ることもなくなり
逆に寝ている時間は脳を休め穏やかな状態を保てるようになった。
これを<リセット>と呼んでいる。
もちろん、夢をリクエストすることも出来た。
見たい夢の入ったカードをシステムに挿入すると
どんな楽しいことでもバーチャルで体験が出来るのだ。
夢なのでもちろん疲れることはないし
それどころか爽快な気分で目覚めることができるのだ。


『夢・・・そうなんだよ。そんな訳がない。
 それじゃ、どうしてあんな夢を?』

俺はよほど切羽詰まった顔をしていたのだろうか?
君は俺の顔を覗き込むようにしてマジマジと見つめると言った。

「やっぱり変よ、あなた。体調が悪いのかしら?」

「あっ、いや。大丈夫だよ。変な夢を見ただけ」

「夢を? どんな? だって、悪い夢なんて見るはずがないわ」

「あはは。コンピューターだってたまにはバグるよ。
 なんかね、地球ライブラリーにあった映画のゾンビに追っかけられてる夢?
 そんな訳はないよね、バカバカしい」

「もう! でも、帰ったら安静器で休みましょ。
 昨日、一ケ月ぶりに<仕事>だったから疲れているのかもね」


ドームではみんなが平等な生活を送っている。
<仕事>はコンピューターで割り与えられていて月に一度。
それもバーチャルマスクを着用して流れてくる映像をただ見ているだけ。
何の意味があるのかは誰も知らないし
中には<仕事をすると洗脳される>と噂をする者も稀にいたが
大概は誰も疑問には思わないし文句も言わない。
それで楽な生活が出来ているのだから。
そんな<仕事>で疲れるはずもなかった。

でも、君がそれで納得をしてくれたならそれで良い。

本当に見た夢はそんなのではなかった。
しかも、その夢の話など君に出来るはずもなかった。
君が死んだ夢だったなんて。


「あー、本当にキレイ!
 ねぇ、もう織姫と彦星は再会できているかしら?」

無邪気に君はそう言った。
俺も笑いながら答えた。

「あっ、ほらあそこ! 光ってるでしょ? あそこじゃない?」

俺が指差す方向を見ると君は目を輝かせて呟いた。

「どこ? あっ、ホントだ。そうね。きっとそうだわ」

君はウットリとするかのように地球の向こうに見える天の川を眺めていた。



君の死んだ夢がどうしても引っ掛かっていた。

あれは何処だったんだろう?
地球史の教科書で見た<病院>の部屋に似ていた気がしていた。
ただ白いだけの殺風景な部屋の真ん中にベッドがあって
君はそのベッドで白いシーツのような物に全身を覆われて横たわっていた。
顔は見えなかったけど俺はその瞬間確かに君だと確信をしたのだ。
そして誰か解らないけど数人の人達がそのベッドを囲みながら泣いていた。
とてもとても深く悲しい想いがその部屋全体を包んでいた。

その悲しみがやけに重たく今でも俺の心に残っている。
まるで、それが俺自身の体験だったかのように。



「ほらー、又、考えごとをしている。
 ゾンビなんか何処にもいないわよ。意外と怖がりだったりして?」

君の言葉に我に返った。

「あはは。そうだねー 君より怖いゾンビなんていないよね?」

「まぁ、ひどい! 今夜はチューブの宇宙食にしちゃうぞ!」

「ごめんごめん。チューブならせめて地球食にしてくれないか?
 でも、地球食って言えば久し振りにカレーライスが食べたいな。
 チューブじゃないやつでさ」

「もう。けっこう面倒なのよ」

「由美殿の作ったカレーライスが所望したいでござる」

俺はいつか見た地球史の<時代劇>口調でおどけて言った。

「はいはい、健二殿。分ったでござるよ」

君もおどけて答えた。

「でも、『ござる』は女性は言わないはずなんだけど?」

「あれー? なんか変だと思ったわ」

俺達は顔を見合わせて笑った。

『夢で本当に良かった』

俺は心からそう思った。


「おっと、そろそろ帰らなきゃ。酸素が無くなっちゃうよ」

「あっ、ホントだ。大変!
 でも、不便よね。こんな宇宙服なんか着ないで散歩が出来たら良いのに」

「仕方ないよ。たまにだけどこうして一緒に出掛けて来られて
 そして二人で同じ風景を見て一緒の時間を過ごせるだけで幸せさ」

「そうね。織姫さん、彦星さん、お幸せに。
 そしていつか又、一緒に暮らせるようになると良いね」

由美は天の川に向かって大きく両手を振った。
それを聞きながら俺は呟いた。

「あぁ、きっと一緒に暮らせるようになるさ。時間はかかってもね、必ず」

2015tanabata.jpg




世の中には理不尽なことっていくつもあって
正直者が得をするなんてことの方がほとんど稀で
優しい人がいつも報われる訳でもなくて
正義がいつも勝つなんてのはドラマの中くらいだろう。

それは分かっている。

今までも何度も他人のそんな場面を見て来たし
自分自身だって何度もそんな目に遭ってきたんだから。



「アナタハ神ヲ信ジマスカ?」

街を歩いていると、時々そんな風に声をかけられる。

「じゃ、あなたは本気で神様を信じているの?」

俺はいつもそう訊き返す。

「モチロンデス。神ハイツモ私達ノスグ傍ニイテ
 私達ヲ見守リ、導イテクレルノデス」

「見守っているって?
 何処に導いてくれるって?
 天国にか?
 だから神様は何度も戦争を起こし
 飢饉を起こして
 時には大災害を起こして
 何百人、何千人もの命を天国に導いているのか?
 じゃ、愛する人を失い残された人は
 神様に見守られていない人ってことになるのか?」

そう、それじゃ残された俺はいったいどうすれば良いんだ?



殺風景な病室の白い壁と白いカーテンに囲まれた小さな空間。
白いパイプに白いシーツのかかったベッド。
無機質な画面に幾つかの波形が流れ数字が上下を繰り返す機械と由美を繋ぐ命の線。
吊るされた点滴のパックとビニール管の中を頼りなさげに伝う透明の液体。
その中でひと際華やかだったのが
由美のお母さんが用意をしてくれたパステルカラーの花柄のタオルケットだった。

「可愛い色だね」

「でしょ?」

「うん、良いね」

「せっかく春になったんだから、せめてこれくらいはね。
 今年もこんな花柄のワンピースなんて着て歩けそうもないし」

笑顔を見せた後で由美はちょっと寂しそうにそう言った。

「そんなことはないさ。
 元気になれば又、いつだって着て歩けるよ。
 そういや、由美のワンピース姿なんて見たことがなかったよね?
 出し惜しみしてた?(笑)
 いっつもTシャツかトレーナーにジーンズだったじゃん」

「そんなことはないんだけどさぁ~
 なんか、私って可愛げが無いじゃん?」

「あはは、そんなことないって」

「髪もこんなだしなぁ~」

少しくせ毛の強いショートカットの髪の端を両手で引っ張りながら由美は言った。

「きれいなストレートヘアだったらロングも似合うんだよね」

由美は大きく溜め息をついた。

「そんなことないって。そのままで十分に可愛いさ」

「じゃ、私に花柄のワンピースなんて似合うと思う?」

「あぁ、もちろんだよ。馬子にも衣装って言うじゃん?」

「あー、ひどい! それって、そうやって使う言葉だっけ?」

「あれっ、何か違うっけ?」

「もう!」



難しい名前の病気が由美を蝕んだのは半年前。
俺達が付き合い始めて二度目の秋のことだった。


入院生活が始まったのは秋も深まった頃でそれから二度の大手術を受けた。
由美の症状は幾度も一進一退を繰り返していた。
薬がうまく効いていればいつもの朗らかな由美がそこに居た。
でも、副作用のきつい時は酷い鬱になったり
そうでなければやたら神経過敏とでも言うのか
凡そ、俺の知っている由美とは違う由美になっていた。

お母さんは由美の前では気丈に振る舞って
いつも笑顔を絶やさないではいたけど
時々、そっと病室を抜け出ては病室から離れた物陰で顔を覆って泣いていた。
嗚咽を漏らさないように、由美に気取られないようにしながら
そして、いつも愛する娘を不憫の思い
そんな娘を産んだことを、自分を責め続けていた。

何度もそんな場面を見ていながら
俺はお母さんにかける気の利いた言葉さえ持ってはいなかった。


みんな解っていた。
それは誰のせいでもないと。
お母さんのせいでもなく、もちろん由美のせいでもない。

十万分の一の確率で誰かに起きる病気。
誰がその「一」になるのか?
それは公平に決められているのか?

誰がそれを決めているのか?

それは悪魔なのか?
それでも、それは神様の仕事のひとつなんだと
いったい誰がそれを弁護するのだろう?



「織姫と彦星が羨ましいわ
 離れ離れになっても一年に一度は逢えるんだもの」

その日、珍しく体調の良かった由美はベッドから身体を起こすと窓辺に立ち
中庭でワイワイ言いながら
七夕の飾り付けをしている子供達の様子を見おろしながらそう呟いた。

「急に何だい?
 俺達なんか二日に一遍は会えてるじゃないか?」

「そうね・・・」


病院には小児病棟もあって
そこでは何十人もの幼い子供達が病気と闘っていた。

そんな子供達がそれぞれの願いを込めて一枚づつ短冊を吊るしていた。
どの子供の顔も病気など感じさせないくらい活き活きとしている。
それが逆に見る者を辛くさせていた。


「願い事、叶うと良いな」

俺は由美に並んで窓辺に立つと独り言のように呟いた。
由美はそれには応えずに黙って小さく頷いた。

「それじゃ、俺も後で短冊を書いて吊るして来ようかな。
 ナースステーションに置いてあるかな?」

「いい大人が恥ずかしいよ」

「関係ないよ。大人にだって願い事はあるんだしさ。
 そうだ! ねぇ? 一緒に書く?」

「嫌!」

「どうして? 良いじゃん」

「だって、私・・・」

「ん?」

「きっと悪い子になってしまう」

「どうして?」

「世界一、ワガママな女になるわ」

「なれよ」

「えっ?」

「良いじゃん。世界一の、いや・・・宇宙一のワガママになれよ。
 俺が受け止めてやるよ」

「だから書けないのよ」

由美はそう言うとベッドに身体を寝かせ
タオルケットの端を掴んで引き寄せるとそのまま顔を覆い隠した。
そのタオルケットは小刻みに震えていた。



今年の七夕は今度の日曜日だ。

医者の余命宣告期限が過ぎてからもうすぐ三か月が経つ。
由美は辛い治療にも負けずに頑張っていた。

そう、頑張っていた。

もしも、神様が居て何処かで由美を見守ってくれているなら
きっと奇跡を起こしてくれるに違いない。

その時の俺はまだ神様のことを信じていたんだ。



目覚ましよりも早く俺を起こすかのように携帯が鳴ったのは金曜の明け方だった。

「もしもし・・・」

半分寝惚けながら電話を取った俺に聴こえてきたのは
切羽詰まった由美のお母さんの声だった。

「あっ、健二さん? 由美が・・由美が危篤なんです。
 あなたの名前をうわ言のように呼んでいて・・・」

後は言葉になっていなかった。

「わ、分りました。すぐに行きます!」

俺は動揺を鎮めるべく勢いよく流した冷たい水で顔を洗うと
急いで着替えを済ませて車を走らせた。
時々、当たる赤信号がこんなにももどかしいと思ったことはなかった。

「早く、早く!」

イライラするのを抑えられずにハンドルを指で叩きながら俺は念じていた。
そして、隣の信号が黄色になるや
俺は前の信号が青に変わる瞬間も待てずにアクセルを踏んだ。
対向車線にパトカーがいたとしてもその時の俺には見えていなかっただろう。
そのくらい俺は焦っていたし、すべての時間がもどかしかった。
それでも、早朝のせいもあってか
いつもの三分の二くらいの時間で病院の駐車場に滑り込んだ。



俺はエレベーターホールより近い階段を選んで三階まで駆け上がった。
そのまま病室まで駆けると息を切らしたまま病室のドアを開けた。

そこにはもう医者も看護師もいなく
由美の命を繋いでいたあの無機質な機械の電源も消されていた。

白い布を顔にかけられた由美の身体にすがるようにお母さんは泣き崩れていて
お父さんは明けかけた蒼い空を見るともなく見るように窓の外を見ていた。


「由美・・・」

何もかもが信じたくはない光景だった。
俺に気づいたお母さんが涙を拭きながらそっと立ち上がると言った。

「さっきまで頑張ってたのよ。
 最期に『健二さん、ごめんなさい』って・・・それっきり・・・
 あんなに待ってたのにね・・・」

顔にかけられた白い布をめくるとお母さんは由美に話しかけた。

「由美、健二さんが来てくれたよ・・・」


由美はまるでただ眠っているだけのような本当に安らかな顔をしていた。



土曜日の通夜と翌日曜日午前の葬儀、そして午後からの繰り上げ法要を終えて
由美を実家に連れて帰ったのはもう夕方になっていた。

仮祭壇に祀られた由美の遺影は去年の夏に二人で沖縄に旅行をした時のものだ。
初めて見たコバルトブルーの海と白い砂浜。
喧騒を忘れてゆったりと流れる時間の中に溺れるように過ごした忘れられない三日間。
とびっきりの笑顔ではしゃいでいた由美は今はもう黒い縁取りの額の中にしかいない。

「由美・・・」

俺は由美のお父さんやお母さんの少し後ろに座り
遺影を眺めながら走馬灯のように巡る由美との想い出に浸っていた。

時折り、由美のお母さんが鼻を啜りハンカチで涙を拭う以外はみな物音ひとつ立てずに項垂れていた。
そうして時が止まったかのような沈黙の時間がしばらく続いていた。
誰もが悲しみを堪えながら受け止めなければならない現実と闘っていたのだ。


「健二さん・・・」

どれだけ時間が経っただろうか。
俺の方を向き直るとお母さんは俺に頭を下げて言った。

「健二さん、ありがとうございます。
 健二さんがいつも傍にいてくれたから由美はきっと最期まで幸せだったわ」

「いえ、俺なんか何も・・・」

「ううん。本当にありがとうね」

お母さんは涙を拭うと又、深々と頭を下げた。

「そんな・・・お母さん、頭を上げて下さい」

俺はきちんと座り直すとお母さんに言った。

「こちらこそありがとうございました。
 結婚どころか婚約すらまだしていないのに家族同然に扱っていただいて
 本当なら水入らずで想い出に浸りたいであろうところを・・・
 こんな席にまで俺に居させてくれて・・・」

「いや、本当に君がいてくれて助かったよ。感謝しているよ。
 母さんと二人だったら、こんなに立派に由美を送り出してやれんかっただろう」

お父さんは笑顔を作って俺に言った。

「・・・」

「いろいろな段取りやら連絡やら本当に助かった。
 うちはとうとう一人娘のままだったけど
 息子がいるってこんなに心強いことだったんだなぁ~ なぁ、母さん?」

「はい」

頷くとお母さんは笑顔を作って言った。

「でもね。健二さんはまだ若いんだから何も縛られることはないのよ。
 うちにも遠慮しないで、早く幸せを見つけてね。
 その方が由美もきっと喜ぶから。あの子ならそうよね?」

お母さんはお父さんの方を向くと言った。

「そうだな。
 まぁ、昨日の今日で健二君もまだ気持ちの整理がついてないだろうけど何も気にしなくて良い。
 亡くなった者も大事だけど、それより残った者の方がずっと大事なんだ。
 私達もそう思うようにするよ。
 もちろん、娘を忘れるという意味ではないけどね。
 そう、忘れるもんか・・・忘れるはずがない・・・」

お父さんの言葉に頷きながら涙をひとしきり拭うとお母さんは微笑みながら言った。

「さぁさ。キリがないわね。健二さんも帰って少し休んでちょうだい。
 ここ二~三日全然寝てないでしょ?
 あなたまで倒れちゃったら私が由美に怒られるから」

「はい、ありがとうございます」

それから俺は改めて遺影の前で手を合わせ線香を点けるともう一度お参りをしてから
後ろ髪を引かれる想いを断ち切りながら由美の家を後にした。


十分に悲しみに浸る間もなく
むしろ現実感が感じられないまま葬儀までの時間がただ慌ただしく過ぎて
今日が何曜日だったのかも忘れていた。
本当の意味の悲しみはおそらくこれからジワジワと湧いてくるのだろう。
だが、今はそこに頭が至る間もないほどクタクタに疲れ果てていた。
家に戻るとそのまま着替えもせずにベッドに倒れ込むように俺は眠りについていた。

その夜、俺は夢を見た。





          *明日の後編に続く*




カレーサミット

そろそろ夕食の支度の時間です。

お母さんは冷蔵庫を開けると
ちょっと顎に指を当てて考えてから
パックのお肉を取り出しました。

それから食品庫を開けて
上の棚のカレールーを手に取ると
今度は下の野菜籠を物色して
じゃがいも、ニンジン、タマネギを取り出しました。

どうやら今夜のメニューはカレーライスのようです。



カレールー
「皆さん、今夜は我々の出番ですぞ!
 さて、そこで
 今日の議題は誰が今夜の主役になるかです。
 議長は私、カレールーにお任せあれ。
 さぁ、我こそはと思う者は発言をしてください」


「そりゃ、やはり僕でしょう。
 言っちゃ悪いけど
 ジャガイモが10個入っているより
 僕が5個入っている方が皆喜ぶじゃないですか」

ジャガイモ
「何をバカな!
 あなたね、私がいないカレーなんて
 間の抜けた二枚目俳優みたいなもんで
 締まりがないったらありゃしませんでしょ?」

タマネギ
「それを言ったら私でしょ?
 私の甘みはカレーの辛さをどれだけ引き立てるか」

ニンジン
「あはは、それって自分は引き立て役
 つまり、脇役って言ってるのと同じだよ。
 僕は脇役でも構わないけど
 僕がいるかどうかで見た目が変わるんだよね。
 僕のいないカレーなんか
 色彩りが悪いったらないですからね!」

ジャガイモ
「私は脇役なんて真っ平よ!
 茶色いルーの中で
 白い私がごろっと存在感を出しているのよ。
 ルーが茶色いのは私を引き立てる為。
 みたいな? うふっ♪」


「でも、子供から大人まで好きなのったら
 やはり僕でしょ?
 カレーの名前だって
 ビーフカレー、ポークカレー、チキンカレーってのが
 定番中の定番ですからね~
 僕がいないカレーなんて貧乏臭くってさ」

ジャガイモ
「まぁ、失礼な!
 それを言うなら女性の一番人気は私でしょ!
 肉だけのカレーなんて野蛮人の極みですわ」

タマネギ
「そうそう!
 女性は野菜カレーが大好きですからね」


「いやいや、今の世は女子ほどガッツリお肉でしょ!
 肉食系女子なんて言葉も最早世間の常識ですよ。
 ビーフカレーにトンカツを乗せたカツカレー。
 ん~ お肉が最高! ヒュー、ヒュー♪」

タマネギ
「それを言うならタマネギフライだって
 ヘルシーなのにボリューミーですわ♪」

ニンジン
「やっぱり、食欲をそそるのは色彩りでしょ!
 お肉君なんかルーに埋もれたら解らないですよ」


「それは聞き捨てならない言葉だな!」


<ケンケンガクガク>

<ワイワイガヤガヤ>

<スッタモンダ、ホイサッサ>

<アーダ、コーダ>


カレールー
「まぁ、まぁ。皆さん、落ち着いて!」


「落ち着け?
 これが落ち着いてなんかいられるかい?
 それぞれの名誉と存亡がかかっているんだから!」

カレールー
「いやいや、お気持ちは良く解ります。
 でもね、ここはひとつ皆さんが大人になってですね。
 何ていうかな、醜い言い争いは良くないです。
 我々は美味しく食べてもらってなんぼでしょ?
 少し大人になってですね、冷静に話し合いましょう」

ジャガイモ
「何? あなたは随分、余裕がありそうじゃない?
 しかも、上から目線ですか?」

カレールー
「いやぁ~そんなつもりはないんですけどね。
 でも、なんせカレーは私がいないと
 煮物なんだかスープなんだか解らないでしょ?」

ニンジン
「君、驕る者は久しからずって知ってるかい?」

カレールー
「はい?」

ニンジン
「今時のカレーはルーカレーだけじゃないんだぜ。
 スープカレーもあれば
 ホワイトカレーってのもあるの知ってるかい?」

カレールー
「まさか!」

タマネギ
「私も聞いたことがあるわ。
 私はもちろん
 お肉君もニンジン君もじゃがいもさんも
 どんなカレーにも必ず入るし
 シチューにだってなれるのよ。
 でも、カレールーさんはルーカレーだけよね?」


「よし、じゃ議題を変更だ!
 誰を主役にじゃなくて
 そもそも今夜はどのカレーにするか決めよう!」

カレールー
「そ、そんなぁ~
 ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」



その頃、台所では
お母さんが
キッチンに並べたお肉と野菜達を
何やら考え事をしながら眺めていました。

それからおもむろに言ったのです。

「ん~ カレーにしようと思ったけど
 何だか面倒くさくなったわ。
 やっぱり今夜は焼き魚にしましょ♪」


一同
「え~~~~~!? そ、そんなぁ~(泣)」





まぁ~ こんなことは良くあることですね。

国民の意見を広く聴くとか言いながら
或いは
有識者からいくら意見を聞いたとしても
トップの考えひとつで
物事は簡単に変わっちゃう・・・なんてことがね。



距離

神代の昔から・・・
いや、そこまで昔ではありませんが
清少納言の『枕草子』にもあるように
”遠くて近きは男女の仲”という言葉があります

(正しくは『枕草子・一六一段』
 ”遠くて近きもの、極楽、舟の道、男女の仲”)

もちろん

逆に
別れ際の男女なんかみたいに
”近くて遠きは”なんて場合もあるんでしょうけどね


遠い、近いといえば距離を指しますが
この距離にもいろいろな距離があります


一般的には<空間的距離>

つまりは現実の遠い、近いという距離です


それから<時間的距離>

ついさっきのことから遠い過去のこと
もしくは、ずっと先の未来のこと
これも或る意味では距離と言えるでしょう


そして最初に書いたような<精神的距離>


<空間的距離>や<時間的距離>は
共有している者同士なら大概は同じ距離感を持ちます

しかしながら
やっかいなのは<精神的距離>です

それが恋人であれ友人であれ
もちろん、異性・同性を問わず
相手との距離感は必ずしも同じとは限りませんね

それだけに相手の思う距離感を知りたくなるものですが

残念ながらメジャーで測ろうが
最新式のレーザー機器で測ろうが
こればかりは測ることは出来ません

でも、知る手がかりはあります


一緒に歩く時の相手の位置

例えば

話している時の相手の表情や視線

例えば

テーブルについた時の相手の座る位置
座り方やその時の仕草

例えば、そうね
脚を揃えて座っているとか組んでいるとか
手の位置が何処にあるか、腕を組んでいるかとか
そんなひとつひとつの仕草で
相手の警戒度だとか好感度なんかも解かったりするそうです


ただ、問題は

”その意味に気がつけるか?”

なんですが、これがまたなかなかね


あまり不用意にジロジロ見ちゃうと
相手に余計な警戒感を与えてしまうし

警戒感だけならまだしも挙動不審に見られたら
これでは本末転倒です


自分で言うのもなんですが

私なんかは小心者のせいか
けっこう相手のちょっとした仕草で
”気がついちゃう”んですよね

「ん? あれっ?」

なんていったん思っちゃうと
精一杯の笑顔すら引きつっちゃって
これはもう誰が見ても
自分自身を贔屓目で見ても明らかに挙動不審?

挙句には無用な深読みなんてしちゃったりして
自分で勝手に<結論>を出しちゃって

で、何とかその場を取り繕いたくて

普段は無口な私が
取り留めも無い言葉の羅列を始めて
ただひたすら

『早く、この時間よ終われ~~~!』

なんてね

でもって、早々にフェイドアウト希望?

その後の私は
深い深い自己嫌悪の海に溺れていく訳です


あー、何て面倒な性格!

良くこんな性格と五十数年も付き合っているもんだと
私は私が可愛くなります ←もはや、自虐的思考?


なんて
話は随分逸れた気もしますが・・・


話を元に戻しましょう


気がつき過ぎるのも困りものですが
かと言って余りに空気を読めないのも考えものです

加えて

異性、同性問わずですが
どんなに親しい仲でも
時と場合によって
その距離が縮んだり伸びたりはするものです

それに合わせて
こちらもちょっと引いてあえて距離を拡げるのか?
それとも逆に縮めにいくのか?
或いはあくまでも等距離を保つのか?

そこの匙加減ってけっこう難しいものです


までも楽観的過ぎるのかもしれませんが
案外、人間ってその辺は
本能的にこなしているのかもしれませんね

案ずるより産むが易し・・・なんてね

もっとも

それが有効なのは
本当に相手のことを解っている場合に
そうね、限られるのかもしれませんが



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