Neko

夢の汽車に乗って 2014年09月

プロフィール

yumenokisya

Author:yumenokisya
現住所 北海道十勝国

 好きな言葉は
『なんとかなるべさ』

 そう、生きてさえいれば
何とかなるもんです。。。
   


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神様が降りて来ない夜
正直、そんな夜はいっぱいある


パソコンの画面の中には書きかけの文章

キーボードを打ちながら
何度も書いたり消したりを繰り返す

だが

何をどう書いても何処かシックリこない


数千のピースの中から
これはとやっと探し当てた
ジグソーパズルのワンピースが
結局合わなかった時の
苛立ちにも似た或る種の焦燥感

平日の深夜
しかも翌日は普通に仕事だと思えば
必然的に
パソコンに向かえる時間には限りがあるのだ


「落ち着こう」

そう、こんな時は心を落ち着かせることだ

自分で入れた珈琲を一口すすりながら
言葉の引き出しを探ってみる

「ふぅ・・・」

溜め息をつきながら煙草に火を点ける

私の指は最早キーボードの上にいることさえ
いつか諦めかけている


文章をアップするタイムリミットは
午前一時三十分

以前なら
それが二時だろうが三時だろうが
平気で起きていられたが
最近はそれをやるとてき面に翌日に響くのだ

いや、決して歳のせいでは・・・モゴモゴ


と、ともかくだ!


零時前にパソコンを開いてから数十分

言葉のひとつも書き足せないまま
時間だけが無情に過ぎていく中で
灰皿だけが吸殻を増やしていく

チラッと時計を見る・・・何度も

「こんな時くらい少しは気を遣って
 せめて一秒でも遅れてくれよ!」

だが
飼い主の意向など知らぬ存ぜぬとでもいうように
いつも以上の正確さで時計は針を刻んでいく

そして時計の針が一時を回った時
私は項垂れた心で両手を挙げた

もちろん、万歳ではない

「お手上げだ・・・」


そう、毎晩パソコンに向かっていれば
こんな夜はいくらでもある

決して珍しいことではない


だが、昨夜は違った


神様がこれでもかと
大盤振る舞いでもしてくれているかのように
バーゲンセールでさえ
ここまでの投げ売りはしないだろうというくらい
大富豪の御殿の建前の派手な餅まきのように
次から次へと言葉が降って来たのだ

言葉が溢れるとは
まさにこんな状況をいうのだろう

私は夢中になって
その言葉群をひとつも逃すまいと
何かに取りつかれたように
キーボードを叩き続けていた


そして数十分


「傑作だ!」

私はついに生涯でもなかったほどの詩を書き上げた


何度読み返しても素晴らしい!

自画自賛?

言いさ、何とでも言えば良い
でも、この詩を読んでも尚そう言えるかい?

私はその出来栄えに満足をしつつ
上書き保存のボタンを押して文章を閉じた


・・・はずだった


「後は風呂からあがったらアップをするだけ。
 ふふ、みんなきっと感動してくれるぞ!
 あっ、でも風呂に入る前にもう一度読み返そう!
 何度読んでも素晴らしい詩だ!
 何度読み返しても感動して泣けてきそうだ!」


私は弾む気持ちを抑えながら
ファイルを開いた

だが

そこにあったのは
今夜パソコンを開いた時と同じ
一行だけの書きかけた文章だった

「えっ?」

私には意味が解らなかった
状況が全く呑み込めなかった

「えっ? えっ???」

在るはずの言葉は当然のごとくそこには無かった

「えっ? 何処?」

私は焦って他のファイルをいくつも開いてみた

もしかしたら
違うファイルに間違って上書きをしたのかも知れない

それが唯一の望みでもあった

だが、どのファイルをいくつ開いても
現実は何も変わらなかった

私は更に焦って
何とかさっき書いていた言葉を思い出そうとした

「ん・・・確か、ここはこうだった。
 で、次は・・・あれ? 何だっけ?」


そりゃそうだ

私はただ降りてきた言葉をなぞっていたに過ぎない

自分で考えた言葉ではないのだから
頭の中に残っていなくて当然だろう


神様の大サービスデイだと
勝手に思い込んで悦に浸っていた私

だが、それは違った

単なる神様の悪戯だったのか?

一度、幸福の味を知った後に来る絶望ほど
人を貶めるものは無い

私は悪趣味な神様に見初められたのか?

すべからく
神様は時として人に試練を与えるのだとか?


それにしても
神様の意地悪ぅ~~~!orz ←お祈りのポーズではない



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「お互いに今は一緒にはなれないけど
 いつか二人が歳を取った時
 お茶飲み友達になれたら良いね。
 私達、良いお茶飲み友達になれると思うんだ。
 二人して縁側に並んで座ってさ。
 渋茶を啜りながら
 あなたが買って来てくれた
 羊羹を食べながら私は言うの。
 『やっぱりとらやの羊羹の方が美味しいわ』って」

「おいおい」

思わず苦笑いの俺。

「わかったよ。羊羹ならとらやにするよ」

「当然よ」

「でも、俺はシュークリームにするかもよ」

「ダメよ。渋茶には羊羹なの!」

「紅茶とか珈琲って選択肢はないの?」

「ないわね。
 あなたって絶対
 そんなハイカラなおじいさんになってないもの」

「おーい! もしもしぃ~?(笑)
 相変わらず失礼な奴だなぁ~
 じゃ、お前も
 渋茶の似合うばーちゃんになってるってことじゃん」

「かもね。ガッカリする?」

「さてねぇ~
 でも、元々、顔で好きになった訳じゃないしな」

「えっ? 違うの?
 ガーン・・・大ショック」

「嘘つけ」

俺がそう言うと二人は顔を見合わせて笑った。


時間は夜の九時半を過ぎていた。
閉店間際の喫茶店には俺達の他には客はいなかった。

カウンターの中ではマスターが
新聞を読みながらヒマそうに煙草をふかしていた。

俺達は窓際の奥の席で向かい合いながら座っていた。


「でも、ホント・・・」

「何?」

「こうしてお前と話しているとホッとするんだよな」

「うん、それは私も同じ。
 初めて会った時から初めてって気がしなかった」

「そうなんだよなぁ~
 こんな俺みたいな純情、素朴で無口な好青年がさ。
 初めて会った時にでも緊張しなかったんだよな」

「あれ~? それってどう言う意味かな?
 <好青年>は聴こえなかったけど(笑)」

「聴こえてんじゃん(笑)
 でも、そう言う意味だよ」

「もしかして私を女として見てなかった?」

「いや、メールでの会話以上に魅力的だったよ」

「あら、嬉しい。
 でも、五十も過ぎてるのに好青年は
 ちょっと図々しくない?(笑)」

「良いんだよ。気は心って言うだろ?」

「それってそう使う?(笑)
 でも・・・確かに
 メールでの会話もお互いほとんど<素>だったよね?」

「そうだね。
 良い意味でだけど
 お前とはいつだって気を遣わないで話せたよ」

「うん」

「俺さ。女性と話している時
 言葉が止まって変な沈黙になるのがすっごい苦手でさ。
 『何か喋らなきゃ』って思えば思うほど
 言葉って出てこないんだよな。
 でも、お前と一緒の時は違ったんだ。
 会話が止まった時でもさ。
 それで別に空気が冷え込んだりしなかった。
 ただ、<ここ>に居て良いんだ。
 そんな気がして楽だった」

「私が良いフォローをしてたからね」

お前はわざと大袈裟にドヤ顔をして見せた。

「はいはい、ありがとうごぜぇますだぁ~」

そう言うと俺も調子を合わせて
わざと大袈裟にテーブルに付くくらい頭を下げた。

「でも・・・」

「ん?」

俺が顔を上げるとお前は続けた。

「私もあなたといると
 不思議なほどいつも自然体でいられたの。
 それまでの繕っていた自分じゃなくて」

「うん、解るよ。
 自分らしい自分っていられるっていうか・・・ね」

「そう。でも、考えたら・・・
 あなたに乗せられて変なことも随分書いた気がするわ」

「変なことって?」

「もう、意地悪!」

「あはは」

「恥ずかしいからメールはすぐに消しておいてよね。
 あなたのメールはずっと残しておくけど」

「おいおい、それじゃ俺だって残しておきたいよ」

「ダ~~~メ! 証拠が残っちゃう。
 もし、あなたに何かあって
 奥様が携帯を見ちゃったらマズいでしょ?」

「そりゃそうだけど・・・
 でも、それを言うならお前だってそうじゃん?
 旦那さんだって見るかも知れないだろ?」

「私は大丈夫。
 携帯を良く仕込んであるから
 もし私に何かあったらその時点で携帯も爆発するの。
 多分ね」

そう言うとお前は悪戯っぽく笑った。

「なんだそれ?(笑)」

俺は残った珈琲を飲み干そうとカップを持ち上げたが
すぐに残っていないことに気が付いて
そのまま黙ってカップを置いた。

「もう一杯頼む?」

「いや、よしておくよ。
 ミルクの代わりに
 未練がたっぷり入った珈琲が出てきそうだから」

「・・・」

俺は腕時計を見ながら言った。

「もうそろそろ閉店の時間かな」

お前は顔をこっちに近づけると
少し声を潜めながら囁くように言った。

「ねぇ、<あの客はまだ帰らないのかな?>
 みたいな顔で
 さっきから何度もマスターがこっちを見てるわ。
 <あいつらが帰ったらすぐに店を閉められるのに>
 みたいな?
 やっぱり頼まないで正解だったかも」

「そうだな。そろそろ出るか。
 それにしても」

俺は恨めしそうに左手首の腕時計をポンと叩いて言った。

「さっきから時計の針を止めようとしているのに
 このボロ腕時計はちっとも言うことを聞かないんだよな」

「ふふ、私も同じことを考えてたわ」

「・・・」

「あっ、ダメよ。決めたことなんだから」

「あぁ、そうだな。ごめん・・・」

「いやだ、止めてよ。そういうの苦手」

「うん・・・」


俺達は席を立つと支払いを済ませて店の外に出た。


「じゃ、これ私の珈琲代」

そう言うとお前は
財布からちょっきりの珈琲代を出すと俺に手渡そうとした。

いつもこんな風に
何処で食事をしてもお茶を飲んでも
お前は男の俺を立てるように俺に支払いをさせ
外に出てから自分の代金をそっと出すのだった。

「いや、今日くらいは俺が出しても良いだろ?」

「ダメよ。最後だからこそいつも通りにしたいの。
 私達はいつも対等のお付き合いだったよね?
 それが唯一のルールだった。
 同じように家族がいて
 同じような立場で同じような考え方で
 そして、同じような不満を抱えていて
 同じモノをお互いに求め合った。
 そしていつも同じモノを大切に思ってた。
 あなたが私といつも対等でいてくれたから
 こうして二年も素敵なお付き合いが出来たと思うの。
 そうでしょ?」

「そうだけど・・・」

「だから最後までいつも通りの私達でいたいの」

そう言うとお前はニッコリ微笑みながら
俺に珈琲代を手渡した。

その時、微かに触れたお前の手の温もりは
初めて手を握った時と何も変わってはいなかった。


店の裏手にある駐車場には街灯に浮かぶ二台の車。

それぞれの車に乗り込んでエンジンを始動したら
それで<二年間>が終わる。


俺は自分の車の脇に立ってお前を見送ろうとしていた。

それに気が付いたお前は車のドアを開けたところで
こちらに振り返ると笑いながら言った。

「ダメよ。一人だけ見送ろうとするなんてズルいわ」

「そっか、そうだな。解ったよ。それじゃな」

そう言って手を振りながら俺が車に乗り込もうとした時
お前は言った。

「ねぇ。私達、本当にさ。
 いつかきっと良いお茶飲み友達になろうね」

「あぁ、きっとなれるさ」

俺は精一杯の笑顔でそう答えた。



家族の中にいても何処かで孤独感を感じていた。
心にはいつも満たされないモノが渦を巻いていた。
ややもすれば投げやりになって
全てを投げ出したいとさえ思っていた。

そんな時に出会った人。
それがお前だった。

お前と出会って俺は独りではないと思えるようになった。
それは多分、お前もそうだったのだろう。

この二年間というのは
それを確認する為の時間だったのかも知れない。

だから俺達はここで別れを選んだのだ。


世間から見たら決して許される関係ではないことも
俺達は初めから十二分に解っていた。
それを解った上で
それでも俺達は付き合い始めた。
でもそれは
俺達が自分を取り戻す為には必要な選択だったんだ。

そう、確かに詭弁かも知れない。

家族からしたら随分身勝手な言い分に聴こえるだろう。
もっともこんな話はするつもりは無いんだけどね。

でも、もしかしたら
何かが変わるかも知れない。
よしんば変わらなくたって良い。

別に良いんだ。

少なくとも俺自身は二年前とは変わっていると思うから。

それで良いと思う。

それを教えてくれたのもお前。


茶飲み友達になろうと言いながら
何の約束もしていない。

それどころか
二年間も付き合ってたのにお互いの本名も知らない。

信じられないかも知れないけど本当なんだ。

知っているのはお互いの携帯の番号とメルアド。
そして呼び名だけ。

俺達にはそれで十分だった。
だってお互いに欲していたのは
そんなことではなかったのだから。

それでもお前は自信たっぷりで言ったね。

「縁があればきっと又、会えるよ。
 そうでしょ?」

そうだな、俺もそう思うよ。
きっといつか俺達は良い茶飲み友達になれるさ。

でも
その時は羊羹じゃなくてシュークリームを買って行くよ。

ちょっとは洒落たじーさんになってね。



流れゆく景色の中に探していたのは

優しかった想い出だったろうか?


それとも桜の花のように儚く散った

いつかの夢と僅かな希望

それでも忘れられない日々だったろうか?




誰かが僕の名前を呼んだ気がした

そう 僕が探していたのは・・・




少女だった君の笑顔が星空に融けて

石鹸水の泡沫のように出来てはすぐに消えていく


無情の夢にすがる遥か恒星の瞬きのように

回転木馬は回り続ける

戻れるはずもない一刻の欠片を拾い集めながら



秋は夕焼けがキレイですね

そして、その赤は何故か切ない


溢れ出る想いを止める事も出来ずに

独りで見ていた窓の向こう


同じ風景も違って見える事があるんだね


今は何もかもが愛しい

暮れゆく空の切なささえも





秋の夕暮れが一番好きだと

そう言った君は少女の笑顔で


飽きもせずに暮れゆく空を見てた

僕はそんな君をただ見ていた


君が見ていた風景はどんなだったろう?


同じ空を見ても僕には

あの時の君が今でも解らない





秋は夕焼けがキレイですね

そして、その赤は何故か切ない


明日になれば又、陽は上るのに

そんな事が思い浮かばない


夜のとばりを引くようにエンドロールが流れる


君の好きだったメロディを

口ずさむ僕をフェイドアウトして



記憶 (改稿)

忘れていたことを
ふと何かの拍子に思い出すことがあります

そのキッカケは
ふと目にした一枚の写真だったり
ラジオから流れてきた歌だったり
テレビの中の何処か懐かしい風景だったり

それは様々だけど

時として
思い出が心の扉をこじ開けて
堰を切ったように突然甦ってくることがあります


忘れていたこと・・・

いや
忘れようとして心の中に封じ込めていたこと?



忘れようとする時
人は必ずそのことを
その人のことを思い出しているのです

だから忘れられない

忘れようとすればするほど
望むと望まざるとに関らず
脳はあらゆる限りに力を総動員して
記憶を鮮明なものにしようとします




評論家Aは言う

「忘れる為に遣う時間は
 いったいどれほど必要なんだろう?」

評論家Bは答えた

「いやいや
 人間なんて案外簡単に忘れてしまえる生き物さ」

評論家Aは反論する

「はたして君はそうかい?
 なら、君の頭の中には
 都合の良い記憶しか残っていない訳だね?
 それで幸せかい?」

評論家Bは少し考えて答えた

「悲しいことをいつまでも覚えていることの方が
 不幸なんじゃないか?」

評論家Aは言う

「確かに悲しかったことや辛かったことを
 いつまでも覚えていることが幸せとは思わないよ。
 でもね、簡単に忘れ去ることも幸せとは思えない。
 美しい思い出ばかりではないけど
 それでも、どんな悲しい思い出も辛い出来事も
 それも含めての今の自分なんだから」

評論家Bは答えた

「それじゃ、
 忘れる為の時間なんて必要ないじゃないか?」




確かにその通りだと思う

無理をして忘れる必要もないし
かと言って
いつまでもそれに縛られていることも
それは良いことだとは思えない

記憶は
時として後悔を過去から今に運び
時として過去を美化していきます

記憶とはそういうものです

そうであるなら

呵責の過去であれ
都合良くオブラートに包まれた過去であれ
生きている今はまだ
過去に真実は求めないでおきましょうか

だって過去の自分を否定したくはないものね






(注)本文は以前書いた文章を
   今般改めて加筆修正したものです



例えば、秋

夕暮れの窓辺に
センチメントな風が吹く

流れていくのは
薄くちぎれかけたオレンジ色の雲

壁掛けの小さなキャンバスの中には
君が残した青の空

伸びた西日が同じ色に染めていく

いくつか過ぎた季節

同じ季節でさえ
巡り来ればそれは変わってしまう

でも
変わるものがあれば
変わらないものもあっていい

そう思えた時
少しだけ自分に優しくなれる気がした




例えば、秋

眠れない夜の
一人語りは時を行き来する

満ちては欠ける月
それはまるで永遠のアワーグラスのように

千年の時を超えてもなお
繰り返し続けるのか?

一粒の砂に人は答えを探そうとする

いくつか過ぎた月日

数えながら眠る
それが夢なら朝には覚めるけど

でも
後悔は戻らない
運命の月が朝に消えても

そう思った時
乗り越えなきゃならないものを知った



今だからそう思えるんだろう


若い頃って世界も狭くて


ひとつを知れば
それですべてを解ったつもりになっていたし


何かひとつがダメなら

それで全てがダメだってほど落ち込みもした

根拠の無い自信を振りかざして
生意気に生きていたけど

でも、これだけは言える

例え

どんな狭い世界にしか生きてなかったにせよ
その時はその時なりに真剣に生きていた


真剣だったからこそ
後悔もたくさん残してしまったんだろうと思う

真剣になればなるほど
ぶつかるモノだって増えるものだしね


「今ならもっと上手くやれるのに」



それは

世界がもっと広いことを知っている
今だから言える言葉なんだよね


でも

若い頃ってそれで良いんだと思う

上手く立ち回ることを考えるよりも
真剣に生きていくことの方が価値がある


それも今だから言えることなんだけどね



確かに人は

社会の中の無数に存在する歯車の
自分では
どれかさえも解らない
小さな歯車のひとつなのかもしれない


歯車は
回り続けていると金属疲労を起こして
ひびが入ったり欠けたりする

疲弊してくると滑ったり引っかかったりする

そのうちだんだんと鈍くなって動かなくなったりする

どんなに小さな歯車でも
そのひとつが欠けてしまえば機械は動かない


でも、人間の社会は別なんだよね

たったひとつの歯車が欠けたって
すぐに又
何事も無かったかのように社会は回り始める

そして忘れられていく


一人の人間なんてそんなものかもしれない

社会全体の中でみたらね


でも、ボクたちは知っている


「人は知れず誰かの役に立っている」

とか
「微力は無力ではない」
とか
そんな言葉があるけど
そうなんだ
人はみな、歯車ではない自分を持っているんだ

一人一人の存在意義がそこにあることも
小さなプライドが社会を動かしていることも

ボクたちは知っている



「また思い出しているのかい?」

いや、ちょっとね・・・

「もう許されても良いんじゃないか?
 二十年も前の後悔なんてさ」

そんなつもりじゃないけど。

「けど?
 そんな引き出しの奥の奥に仕舞い込んだ
 錆だらけの後悔を今更引っ張り出してきて
 どうするつもりなんだい?」

錆だらけって、そんな言い方をしなくても。

「そうじゃないか。違うかい?」

・・・

「だろ? 思い出して又、後悔をしてさ。
 それで何か変わるのかい?」

そう、何も変わらないさ。
でも、想い出ってそういうもんだよ。
それを懐かしんで何が悪い?

「懐かしむだけなら悪くはないさ。
 じゃ、訊くけど
 思い出しているのは楽しかったことかい?
 幸せだった時のことかい?」

・・・

「違うよね?
 <あの時>の後悔ばかりだろ?」

だって、しょうがないじゃないか。
本当に後悔しているんだ。

「それは解るけどさ。
 ん~
 きつい言い方だけどね。
 拘っているのは君だけだと思うよ。
 そんな昔のことを今でも後悔している良い人。
 いや、優しい人って言われた方が良いかい?
 それとも・・・」

もう良い!
解ったよ、解った!
どうせ俺は女々しい男さ。
それで良いよ。

「いや、解ってないね。
 いいかい? 考えてもみなよ。
 そんな二十年前のことを
 今でも悔やんでいられるってことはね。
 逆に言えばこの二十年間は
 あの時の後悔以上の後悔はしていないってことだよね?
 それって本当はものすごい幸せなことなんじゃないか?
 大事なのは今だし
 それ以上に大事なのはこれからのことだろ?
 もう自分を許しちゃえよ」

許すって・・・どうやって?

「だって、結果はともかくさ。
 あの時はあの時で真剣だったんだろ?
 なら、別に無理をして忘れなくても良いんだ。
 ただね
 あの時の自分のことを認めてあげたら良いんだよ。
 それが許すってことだと思うな」



One more chance

誰もかれもが上手くやれる訳ではない

何もかもが上手くいく訳でもない

いや

むしろ、そうじゃないことの方がはるかに多い


だから

上手くやれなくたって
上手くいかなくたって

結果ばかりを気にしなくても良い


「もう一度」

そうやって立ち上がった人のところに
チャンスってくるものだと思うよ


チャンスって<好機>って意味の他に
<可能性>って意味もあるんだ

つまり、信じることさ

自分をね



真実3

真実がもし唯一の正義だとするなら
いったい正義は誰の為にあるんだろう?


もちろん
法律を守ることは大切なことだ。

例え、どんな悪法だったとしても
人間はそれを守らなければならない。

それが社会の秩序を構築しているのだから。

しかし
正義は何も法律の中だけにあるものではない。

人間の心の中にだって輝く正義は存在する。


法律の中の正義と人間の心の中の正義。


真実を語る正義と真実を葬る正義。

正義が導く真実と正義が包み隠す真実。


そう考えた時に思う。


真実の正体とはいったい何だろう?

誰がそれを正しいと言い切れるのだろうか?
誰がそれを正しいと決められるのだろう?

それは知っているのはきっと自分だけだ。

そして
それはそれで良いのだ。



真実2

何処かのマンガの主人公の決め台詞じゃないけど

「真実は一つだ!」

そう、確かに
それぞれの事象については
真実はそれぞれひとつづつしかない。


しかしながら
人間にとってここでやっかいなのは
その真実とやらが
必ずしも人間にとっては
好ましくないものもあるということだろう。

真実は何も良いことばかりではない。

理不尽な真実だとか
知らない方が良かった真実なんていうのもある。

いや、むしろ知りたくなかった真実と言うべきか。


もし
真実が人間を苦しめるだけのものなら
いっそ真実は
迷宮の中にあった方が良いのかも知れない。



真実

今、見ているこの星がこの瞬間には
もう存在をしていないかも知れないと言うこと

見えているモノだけが
信じられる唯一の真実では無いのかも知れない

そんなことを考えたことがあるかい?



今、あなたが見ている色でさえ
人によって見え方が違うんだと言うこと

あなたの見えている色は
本当に私が見えている色と同じなんだろうか?

そんなことを考えたことがあるかい?



現実は今、確かに目の前にある
でもそれを誰が真実だと言えるのだろう?

不確かなもの、曖昧なものに理由をつけて
私達はそれを真実だと思い込もうとしている

そんなことを考えたことがあるかい?




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